著者は東京大学名誉教授、解剖学者の養老孟司氏。大ヒットしたこの本を遅ればせながら読んだ。
「NHKは神か」や「松井、イチロー、中田」などいろいろな項目について独自の意見が書かれている。科学者ということで、データに基づいた緻密な理論を展開するのかと思っていたのだが、結構主観的な意見が多いように感じた。脳の研究に加え、育った年代(昭和12年生まれ)も著者の考え方に大きな影響を与えているのではないかと思う。
内容に関しては、共感できる部分もあれば共感できない部分もあった。NHKが「公平・客観・中立」をモットーとしていることに対する指摘などは私も確かに共感できた。
「人間の常識」の項で書かれている「人間であればこうだろう」ということが普遍性として成り立つ旨書かれている部分については共感できなかった。「人間であればこうだろう」というのはその人の育った環境や受けてきた教育によって異なるので一概にはいえないと私は考える。
その他、「個性」や「オウム真理教」に関する項では、そういう考え方もあるのかと感心させられた。
すべてを鵜呑みにするのではなく、こういう考え方もあるのかという観点で読んでみるにはお薦めの本である。
実際まえがきにも次のように書かれている。
この本の中身も、世間のいう正解とは違った解をいくつも挙げていると思います。でもこの本の中身のように考えながら、ともかく私は還暦を過ぎるまで生きてきました。だからそういう答えもあるのかと思っていただければ、それで著者としては幸福です。もちろん皆さんの答えがまた私の答えとは違ったものであることを期待しているのです。
ラベル: 社会

1 Comments:
rainyです。トラックバックありがとうございました。私は文系の人間なので、脳研究をされている偉い学者の先生の仰ることなど無条件に「ははー!」とひれ伏してしまうところがあるのですが、確かにそういう先生でも、育ってきた環境や時代などに影響を受けてしまっているあるかもしれませんね! そういう冷静な目って、読む側にも必要かもしれませんね。
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