読書感想文

新刊、休刊、文学、専門書。
あらゆるジャンルの書籍について読書感想を書いていきます。
得意分野: IT関連技術書、ミステリー小説、ベースボール


2007/06/28

バカの壁

著者は東京大学名誉教授、解剖学者の養老孟司氏。大ヒットしたこの本を遅ればせながら読んだ。

「NHKは神か」や「松井、イチロー、中田」などいろいろな項目について独自の意見が書かれている。科学者ということで、データに基づいた緻密な理論を展開するのかと思っていたのだが、結構主観的な意見が多いように感じた。脳の研究に加え、育った年代(昭和12年生まれ)も著者の考え方に大きな影響を与えているのではないかと思う。

内容に関しては、共感できる部分もあれば共感できない部分もあった。NHKが「公平・客観・中立」をモットーとしていることに対する指摘などは私も確かに共感できた。

「人間の常識」の項で書かれている「人間であればこうだろう」ということが普遍性として成り立つ旨書かれている部分については共感できなかった。「人間であればこうだろう」というのはその人の育った環境や受けてきた教育によって異なるので一概にはいえないと私は考える。

その他、「個性」や「オウム真理教」に関する項では、そういう考え方もあるのかと感心させられた。

すべてを鵜呑みにするのではなく、こういう考え方もあるのかという観点で読んでみるにはお薦めの本である。
実際まえがきにも次のように書かれている。
この本の中身も、世間のいう正解とは違った解をいくつも挙げていると思います。でもこの本の中身のように考えながら、ともかく私は還暦を過ぎるまで生きてきました。だからそういう答えもあるのかと思っていただければ、それで著者としては幸福です。もちろん皆さんの答えがまた私の答えとは違ったものであることを期待しているのです。

ラベル:


2007/06/24

コツコツ働いても年収300万 好きなことだけして年収1000万

「シリコンバレーで学んだプロの仕事術」という副題がついていたので読んでみた。
まぁ日本の常識は他国では非常識になることもあるので、考え方の幅が広がるという意味で読んでよかった。
ただ、シリコンバレーでもいろんな考え方や個性の人がいるはずなのに、「シリコンバレーではこうだ」とひとまとめにしすぎているように感じた。
あとは、技術者としてシリコンバレーに飛び込んだのかと勝手な想像をしていたのだが、著者は元外交員という肩書きで技術者ではなかったのがちょっと個人的に残念。

一番参考になったのは逆境の意味を変える五つのステップの項で書いてあったABCDE法。

A. 失敗の事実を記述
B. 失敗の原因を分析
C. 失敗の結果おこった感情を記述
D. Bの分析を論破しプラスの意識をもつ
E. 元気回復

あとがきで、著者の経験から中近東は「陰のしたたかさ」、シリコンバレーは「陽のしたたかさ」と表現している。中近東の「陰のしたたかさ」というのがイメージがわかないが興味があるので、それについて本文でもう少し詳しく書いてもらえるとうれしかった。

ラベル:


2007/06/19

フューチャリスト宣言

ウェブ進化論の梅田望夫氏と脳科学者の茂木健一郎氏の対談。巻末には中学と大学で講演した授業が収録されている。

これは今年一番のお薦め作品。2人の対談を読んでいると限りなく明るい未来が待っているような気がしてわくわくしながらページをめくっていった。

やりたい企画に対してネガティブなコメントばかりされつぶされるという組織のしがらみを感じていたのだが、この本でまさに自分が感じていたことを的確に表現してもらって霧が晴れたような気分になった。組織に慣らされてしまえばきっと自分もおいていかれる、自分の感覚が正しいと思って突き進まなければいけないと改めて思った。
今はまだ所属している組織の名前で信用を得る時代だが、きっと10年後には検索エンジンで自分の名前を検索して出てきたコンテンツで個人の信用を得る時代になるだろう。
そのことを見据えて生活していく。

ウェブ進化論の時もそうであったが、自分では体感していて理解できるけれどもうまい言葉が浮かばないので説明できないという部分を、上の世代の人にもわかるような表現で説明しているところがすばらしい。
梅田さんは自分の著書の書評をくまなく探すということだったので、もしかしたらこの感想も読んでもらえるかもしれない。

茂木さんの本はいままで読んだことがなく、ソニー研究所の人、テレビにでている人、そしてあの髪形は自分でカットしているらしい(ソニーの知り合い談)といった前提知識しかなかったのだが、この本を読んでとても好きになった。ほかの作品も読んでみたいと思う。

そして、最近なぜか茂木さんと佐野元春のルックスが似ていると感じるようになった.....

ラベル: , , ,


2007/06/09

オブジェクト指向でなぜつくるのか

オブジェクト指向PGやフレームワーク、UML、モデリングなどについて経験豊富な著者が概要を解説している。オブジェクト指向を使うと、現実世界をそのままプログラムとして表現できるというのは勘違いであるという著者の主張には同意できるが、広く浅く概要の紹介という感じがして、すでに自らオブジェクト指向のプログラムを書いている人にとっては物足りないのではないか。
これからオブジェクト指向について勉強したい人、もしくはプログラムは書いていないがプロジェクトマネージャーの立場でソフトウェア開発の効率化を考えている人には概要を把握できるという意味でお薦めできる1冊である。

ラベル: ,