ウェブ進化論 、フューチャリスト宣言 に続き梅田望夫氏の作品を読んだ。
今回のサブタイトルは「いかに働き、いかに学ぶか」であり、インターネットによる変革の時代をいかに生き抜くかという内容で主に若者へのメッセージとなっている。IT業界に身を置くものとして業界の流れはわかっているのだが、なんとなく感じてはいてもうまく表現できない部分が的確に表現されており感服した。
大きく印象に残ったのは次の2点。
・ロールモデル思考法
「自分の内から湧き出てくる何かが具体的に見えずとも、「ある対象に惹かれた」という直感にこだわり、その対象をロールモデルとして外部に設定する。そしてなぜ自分がその対象に惹かれたのかを考え続ける。それを繰り返していくと、たくさんのロールモデルを発見することが、すなわち自分を見つけることなのだとだんだんわかってくる。自分の志向性について曖昧だったことが、多様なロールモデルの総体として、外側の世界からはっきりとした形で顕れてくる。」
梅田氏の場合、自分の志向性発見のために読書をしていたという。
私の場合、お手本にしたいと思う人を周りに発見できず、そのため結果的に灯台(ロールモデル)のない状態で航海しているようなもので自分の成長の距離感というものがつかめていないような気がした。
人に限らず、本を読んでロールモデルを発見するという考えは試してみたい。
・30歳から45歳という大切な時期を無意識に過ごすな
この項目に関してはまさに耳が痛かった。新卒採用からずっと大組織で働いているのだが、30歳ぐらいまでは確かに仕事を覚え技術スキルが向上している満足感があった。しかし30歳をすぎてからは過去の蓄積だけで無難に仕事をこなせ、「なんとなく」仕事をやる状態になってきた。新しいことを始めようとしても組織のしがらみで許可を得られず、そもそも組織自体がバブル世代が異様に多く上がつかえている状態だ。いっそのことベンチャー企業のような若い勢いのある組織で働いた方がよいのではと考えても、いざそういう連中と話をしてみると、自分はすでに大組織病に侵されていることに気づく。専門部署にいるためビジネスの全体を見渡せないし、そもそもスピード感がない。
まさに自分は「ここではないどこか」で仕事をしたいと考えている一番危ない種類に属する人間だ。
そういう人向けに梅田氏はありがたいアドバイスをしてくれている。
「そういうタイプの人は、「その会社から吸収できることをすべて吸収し、その15年間のできるだけ早い時期に辞める」というビジョンを持って生きるべきだと思う。最終的にその組織を離れないことになったとしても、自覚的に15年をそう生きれば「組織と個の関係」も対等に近づいていくことになるだろう。そんな決意を秘めて働いている人のほうが、逆説的だが、組織内で「輝く個」になれる。「吸収できることをすべて吸収する」と決めたら、多様性と広がりに満ちた組織全体の中で「自分の志向性」に合致する場所を見つけ、積極的に働きかけて、何とかそこに移っていくことである。」
現状は「なんとなく」働いている状態なのでなかなか吸収する意欲がわかないが、辞めると考えるとそれまでに技術や人脈など手にいれられるものは手にいれたいと思うだろう。別の視点で考えれば、今の仕事が満足できないからどこかに移ろうではなくて、今の仕事で頭角を現して誰かから引き抜いてもらえるぐらい自分を成長させようという意気込みで働いていきたい。
この本は自分の生き方に悩んでいる若者に特にお薦めの本である。
