サブタイトルは「世界最強軍団ボストン・レッドソックスも使っている新選手評価指標」。
表紙にレッドソックスの写真が写っていたので、てっきりメジャーリーガのデータ解説かと思っていた。しかし、実際は日本のプロ野球選手のデータ分析だった。
セイバーメトリクスには興味があり、マネーボール、メジャーリーグの数理科学といった本は読んでいる。そしてMLBの公式ホームページでOPSやフライゴロ比率といったデータは意識して見ている。
だが、いままで聞いたことのないデータ分析が本書にはたくさん書かれていた(単に忘れているだけかもしれないが)。
たとえば、RC27。一人の選手だけで打線を構成した場合に1試合あたり何点取れるかという数値。07年の最高値はセリーグが青木選手の8.71点、パリーグがローズの8.64点だそうだ。
攻撃の目的は点を取ることなので、RC27は打率や出塁率よりも勝利に直結するデータであろう。また、得点や打点は自分の前後を打つ選手の能力に依存するため、選手本人の実力をそのまま反映できるとは限らない。その点RC27は1人で打線を形成するので個人の実力がより反映される。
セイバーメトリクスでは、打率・ホームラン、勝利数・防御率といった現在一般的に重要とされているデータでは表現できない選手の能力が現れる場合がある。そのため、まだ目立っていないが一気にブレークしそうな選手を発掘できたり、実績のある選手の衰えの兆候がいち早く現れたりすることがある。
そのあたりの分析をすることがセイバーメトリクスの醍醐味であろう。
本書では、ロッテのYFK(薮田投手、藤田投手、小林投手)の移籍に関する分析や、今年ブレークしそうな選手の紹介があり非常におもしろい。
日本のプロ野球選手に対してこれだけセイバーメトリクスのデータ分析がされているデータを見たことがない。メジャーの現場でデータを重宝していた長谷川氏のインタビューもあり、野球を違う角度から分析したいデータマニアには超お薦めの1冊である。

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