サブタイトルは「魅力のない商品を、いかにセールスするか」。
著者はNBAのチームでマーケティングを行い、不人気チームの観客数を大幅に増加させたJon Spoelstra。スポーツマーケティングを中心に、どのようなマーケティング手法で売上を増加していくかについて書かれている。
ちなみに、タイトルは「エスキモーに氷を売る」だが、本文中ではエスキモーの話はでてこない。
著者のすごいところは、価値のないと思われる商品に、いかに価値をつけていくかの考え方である。
例えば弱小バスケットボールチームの場合、資金力に乏しく、試合に勝てず、そしてスター選手もいないといった状態で観客席はがらがらで満員になることはシーズンに1度もなかった。
しかし著者は考えを巡らせ、スター選手の所属するチームに価値を見出した。そして人気のあるチームとの対戦試合を数チーム分パックにして売り出したところ、それらの試合は満席になったという。
普通は自分のチームの選手をアピールして来場を呼び掛けそうなものだが、相手チームのスター選手に寄り掛かるという発想が面白い。
また、試合前に著名人の講演会をスタジアムで行い、法人顧客を増やすという案も成功したそうだ。下手に値引きをするよりも、定価のままで付加価値を加えるという考え。このあたりは著者の考えの根底にありそうだ。
人気のないものを多少値引きしてもやっぱり誰も買いたがらない。それよりもこの値段でここまでやるかというぐらい付加価値をつけるほうが人は買いたくなる。
ハワイの野球リーグの例がでているが、誰も書いたがらないチケットに、サインボールとリトルリーグのバットをつけて定価で販売したという。当然のように売上はあがるのだが、はたして赤字ではないかと疑問がわいた。しかし、グッズ売り場で売っているサインボールは7ドルでも、原価は2ドル。定価15ドルのバットも原価は3.5ドルと実は一般の人が感じるよりも金額の上積みは少ない。
一般人からみればこんなにいっぱいセットでこの値段でいいのか、これなら買いたいと思わせる一方で、実はそれほど費用の増加は多くない。そのため利益がだせるというからくりだ。
この本は、仕事でマーケティングをやっている人はもちろん、それ以外の職種の人にも読んでもらいたい1冊である。
ラベル: マーケティング

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