インフォコモンズ(情報共有圏)という聞きなれない言葉の概念がイメージしにくく、前半部分はあまり興味をひかれずに読んでいた。しかし、中盤から後半にかけて著者の主張が理解できてくると、この本のすごさが理解できた。
現在はWeb2.0と言われているが、本書ではWeb3.0の形を予言している。
すでにWeb3.0の息吹はいくつかのサイトに表れており、たとえばベイズ理論を用いたzero-zoneや食べログ、tsutaya discas、みんなの株式などが紹介されている。
ちなみに、本書で説明されているWeb*.0の定義は次の通り。
ウェブ1.0は集中化した彼ら。そして、インフォコモンズ(情報共有圏)の必要条件は次の4点。
ウェブ2.0は分散化したわれわれ。
ウェブ3.0は非集中化した私。
暗黙ウェブである。Amazonの協調フィルタリングでは、この本を買った人はあの本も買っていますと勧められるが、誰が買ったかという点は可視化されていない。しかしWeb3.0では誰が買ったかということがわかるため、自分と感性が近いこの人が買ったものならば安心して買えるといった信頼関係ができあがる。
信頼関係に基づいた情報アクセスである。
情報共有圏が可視化されている。
情報アクセスの非対称性を取り込んでいる。
本書を読むことにより、サイトの企画についてアイデアをもらえた。ありきたりの発想で旧来のウェブサイトを作るのではなく、独自の視点で次世代型のサイトを企画、構築したいと思わせてくれる内容であった。
著者は元新聞記者であるようで、論理構成もしっかりしており、IT業界の人にはぜひ読んでもらいたい1冊である。

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