若き日本人科学者が超有名クラッカー ケビンミトニックを追跡し逮捕にいたるまでのドキュメンタリー。
若き日本人科学者というのは、2008年にノーベル化学賞を受賞した下村脩氏の息子の下村努氏。
下村努氏自ら書いたドキュメンタリーであるが、小説よりもよっぽど面白い。というのも、事実に基づいているだけに、ミトニックの手口が非常にリアリティがあり、追跡過程も矛盾点がないのだ。安っぽいミステリー小説にありがちなつっこみどころが存在せず、納得しながら読めた。
しかも単に技術的な話に終始せず、恋愛的要素も入っている。だから小説よりもおもしろい。
ただしどうしてもコンピュータや電話に関する技術的な話が多いので、そのあたりの知識がない人には逆にちんぷんかんぷんになって面白くない可能性はある。
この本が書かれたのは1995年。まだ日本ではインターネットが一般家庭では利用できない時期であったが、すでにそのころから本格的なクラッキングが行われ、不正侵入や情報漏えいが行われていたことには興味がある。まぁIPスプーフィング、.rhosts、sendmailのバグといったところがメインの侵入手段であり、現在では技術的・思想的に改善されてきてはいるのだが。
現在でもインターネットの世界では、クラッキングが行われている。
仕事でインターネットに関わっている技術者には、ぜひとも読んでもらいたい1冊である。

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