読書感想文

新刊、休刊、文学、専門書。
あらゆるジャンルの書籍について読書感想を書いていきます。
得意分野: IT関連技術書、ミステリー小説、ベースボール


2008/03/29

なぜ仕事するの?

著者はDoCoMoのiモード生みの親、松永真理さん。30代が終わろうというときに、中間決算をやっておきたいとういう衝動からかいた一冊。
松永さんは元々リクルートで「就職ジャーナル」「とらばーゆ」の編集長をしていたので、企業、就転職希望者双方との接点があり、いろいろなケースを見てきている。それに加え自身の今までの仕事への取り組み・葛藤を交え、仕事とは何かといったことを語っている。内容としては主に女性向けである。

しかしリクルートって本当に人材の宝庫だ。USENの宇野社長や楽天野球団の島田社長など元リクルートで現在活躍している経営者が多い。これはリクルートのプロフィットセンター制度が影響していると思われる。リクルートがなぜこのように人材を輩出しているかは「リクルートのDNA」に詳しく説明されている。

この本は5年ほど前に一度読んでいたが、再度読み直した。

おもしろかったのは、転職がうまくいくかどうかは辞めかたを見ればわかるというくだり。次のパターンでの転職はやめた方がよいとアドバイスしている。

  • 無知からくる転職
    ビジネス社会や企業の成り立ちを知らなさすぎるために、こんなはずじゃなかったと今の会社を辞めたがる。組織への批判は聞けてもなにをやりたいかはでてこない。転職しても同じ行動を繰り返しがち。
  • 人間関係がらみの転職
    あの上司がいないところ、あの先輩がいないところ、あの後輩がいないところとなる。海外へ留学しようか、転職しようか、学校へ戻ろうか、マンションを買おうか、ネコを飼おうかという症状が出る。
  • 女性のライフイベント退職
    結婚・出産でいったん辞めて子育て後に復帰するという。現実はそんな簡単には正社員として復帰はできない。
全体的に軽快なテンポで話が進み、ユーモアがありかつ参考になることが数多く書かれている。仕事について悩んでいる人にお薦めの1冊。

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2008/03/26

挑戦し続ける野村総合研究所

特に野村総研と関わりがあるわけではないのだが、3Kと呼ばれるIT業界で異彩を放っている気がしたので読んでみた。

メディアに登場するアナリストの影響か野村総研といえばシンクタンクというイメージが強いのだが、実は従業員数はSEの方が多い。おもな顧客は野村証券とセブン&アイ・ホールディングス。
読んでみて感じた野村総研の強さは
  • 優秀な人材を確保している
    これはシンクタンクのブランドイメージで人が集まるのか、それとも高給与で人があつまるのかはわからなかった。
  • 顧客志向
    顧客の要望にできる限り対応し信頼関係を築く。また、通常のシステムインテグレータであれば開発を重視するが、野村総研では地味な作業と思われがちな運用も重視している。
  • 未来志向
    常に半歩先を進み先手をうつ。
  • ベンダーフリーなシステムの構築
    自身でハードを生産していないので、本当に良い製品の組み合わせてシステム構築できる。
第1章で野村証券のシステムをオープン化したときの話が掲載されているが、1992年の段階でWindowsを利用したクラサバシステムを研究していたという。Windowsといえば一般向けにまともなネットワーク対応されたのが1995年のWindows95、企業向けにはWindowsNTがあったとはいえまだまだ頻繁にフリーズしていた時代だ。よくそんな時代にWindowsの利用を考えたなぁと感心した。
現在は情報技術本部を設立し、最新技術の動向調査や実用化できるかといった検証を実施しているようだ。また、各事業部と情報技術本部の間に基盤サービス事業本部を設置し、幅広く技術を理解している人材を配置してワンストップ対応できる体制を整えているそうだ。「その分野は私にはわからないので別部署の人に聞いてください」と顧客に言ってしまうIT企業があるなかで、ワンストップ対応できる体制を整えるというのはすばらしい。

また、社長のこの言葉はすばらしいとおもった。

部長クラスには、50人部下がいたら、二人ぐらい遊ばせておけと言っている。本部長や部長の技量に任せているのだがみんなまじめなので全部、プロジェクトに充ててしまう。放っておくとみんな目先の売り上げなどの目標達成だけに走ってしまうので、「そんなに無理しないでいいぞ」と話すこともある。確かに昔は適当に遊ばせていた。私なんかはずっと遊んでいたと思うけど、そうした環境からいいプロジェクトのかけらが出てくる。いかに先のことを考えるかが重要だ。

まぁきっと従業員の人に聞けば、残業が多いとか人間関係がドロドロしてるとかマイナスの話も出てくるのではないかと思うが、本書ではそのあたりのことは書かれていない。

この本は、IT業界で働いている人や野村総研で働きたいと考えている人にお薦めの1冊である。

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2008/03/20

PRESIDENT 2008 3.3号

相場激変!一番頭がよい「住宅・土地選び」大全 として、約80ページにわたり不動産に関する特集をしている。20人以上の専門家が様々な視点で記事を書いており、非常に勉強になった。
人口統計やマンションの価格変動に関する統計があり、これからマンション購入を考えている人にとっては住む街を選択する上で参考になる。また、リフォームや住宅ローンの借り換えの話などもあり、すでに自宅を取得している人にとっても参考になるであろう。
さらに建築基準法の改正や税制の変更点など法律がらみの話もときおり書かれており、今後の注意事項がわかる。
住宅や土地の売買を考えている人にぜひとも読んでもらいたい1冊である。

以下は、読んで印象に残った点、もしくは記事から感じた点である。
  • デベロッパー
    デベロッパーは大手の方がやはり安心感がある。また、デベロッパーだけでなくゼネコンがどこかも確認したほうがよい。
    三菱地所+竹中工務店、三井不動産+鹿島、明豊エンタープライズ+清水建設(外断熱と制震)という組み合わせは、よいマンションを作る傾向があるらしい。
    ゼネコンがデベロッパーとして名を連ねている場合は注意が必要。チェック体制が甘くなる可能性がある。
  • 工期
    適正工期は 階数+3~4か月
    例. 10階建てなら14か月
    さらに修正工事や内覧会で2か月程度期間が設けられていればベター
  • 地盤
    湿地や泥炭地は建物に歪が生じ寿命が縮みやすい。
  • 床構造
    アンボンド工法、ボイドスラブ工法は震動が伝わりやすいので注意。
  • 建売住宅
    半分以上?の物件に欠陥が存在する。

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2008/03/19

「伝説の社員」になれ!

著者は元Amazonでバイヤーをしていた土井英司氏。自らの経験を基に仕事について語る。

年収の高い会社に転職したいと考える人は多いであろうが、著者は単純に年収だけに惑わされてはいけないという。仕事を選ぶ際には、そこでどのような経験ができるか(=どれぐらいお金を払ってでも経験したい内容か)も考慮に入れる必要がある。
たとえば、将来的にステップアップにつながるような経験を積める仕事(年収400万円)と、キャリアアップにつながらない単純作業の仕事(年収600万円)を比較してみる。ステップアップにつながる経験をお金を払って受講すると考えた場合、その受講料として200万円以上払ってもよいと考えるのであれば前者の400万円の仕事の方が価値が高いことになる。つまり単純な年収で比較するのではなく、年収+経験できる内容の価値で仕事を選んだ方がよいというのだ。

この話で思い出したのが、ウェブ進化論の梅田望夫氏。外資系経営コンサルタント会社で働きたいと考えた彼は、MBAも持たず英語もろくにできない状態であった。しかし「給料は最低年俸でよい」、「入社したら一生けん命勉強するから、今の英語力で判断しないでほしい」と懇願し最低年俸で入社した。
おそらくもっと給料の高いところで働くことは可能であったのだろうが、その時点の給料が低くとも、価値のある経験を積みいまや超有名人となっている。

私なら、年収+経験できる内容の価値に加えて自由に使える時間も考慮に入れたい。もっともどれぐらい残業するかは実際に勤務してみないとわかりづらいところではあるが。
労働時間がわかるのであれば、(年収+経験できる内容の価値)/労働時間、すなわち時給で比較するのもよいであろう。

また著者は、給料の高いところに転職するとそれに見合うアウトプットをだすことに注力し、新たな能力開発ができず価値が下がると言っている。
これも納得できる部分がある。自分の場合、今成果を出している仕事は、2,3年前に磨いた能力によるものである。そういう意味では、今も能力を磨いていなければ、進化の速い業界では2,3年後には出せなくなる可能性がある。
成果を出すために7割、能力開発に3割ぐらいの配分で仕事をするのが長期的にみると一番バランスがよいのではないかと考える。

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2008/03/09

「資産価値が落ちない」マンションを買う!

著者は住宅ジャーナリストとしてテレビにも出演している桜井氏。数多くの物件を見てきており非常に参考になる内容であった。

この本を読んで、資産価値が落ちないマンションの条件を次のように解釈した。

立地条件

・駅から遠くても歩いて10分以内
・敷地内、もしくは近くに公園や緑がある
・周辺環境が悪化しない
(南側にビルが建つと日当たりが悪くなる、高速道路ができると騒音と排気ガスで悪化する)

マンションの管理が行き届き、補修を確実に実施している

・分譲物件を投資目的で購入し賃貸住宅とする人がいると、マンションに対する愛着が薄く管理が行き届かない可能性がある
・敷地内に住民以外が無断で立ち入りできない。
(公開空地を利用し住民以外も施設内に出入りできる場合、若者が夜中に騒ぐなど治安悪化の恐れがある)

参考になったのは、新築物件を探す人は建設中の段階で購入するため窓から外を眺めたりできないが、中古で購入する人は実際に部屋にはいってそのあたりをチェックするという点。
また、新築物件を探す人はいわゆるマイホームを夢見て共有設備なども購入の決め手になるが、中古で探す人は現実的で古くなった共有設備に魅かれる可能性は低いといういうのもうなずける。

これからマンションを購入したいと考えている人にお薦めの1冊。

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2008/03/01

最愛

追伸読了後すぐに最愛を読み始めた。
追伸は過去の話についての手紙であったためなかなか話にのめりこめなかったのだが、最愛は現在進行形でかつ主人公が探偵のようにあちこち調査するので最初の数十ページでのめりこんだ。
しかし、半分を過ぎたあたりからちょっとわくわく感がなくなってきた。というのも、脳死に近い状態の姉を病院に残してそんなに外で調査するかといった違和感から始まり、それはないだろうというような主人公の思い込みに近い推測が次々とあたっていくのだ。警察の捜査が及んでいないところまで素人の主人公がそんな簡単に解明していくかぁと思いリアリティを感じられなかった。
事件解決後に話が展開するが、それもリアリティがないなぁ。
本作品は、緻密な取材でリアリティのある作品を作りあげる真保作品にしてはちょっと異質な感じがした。

今までと違う真保作品を読んでみたい人にお薦めの1冊。

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