読書感想文

新刊、休刊、文学、専門書。
あらゆるジャンルの書籍について読書感想を書いていきます。
得意分野: IT関連技術書、ミステリー小説、ベースボール


2008/08/03

雲を掴め 富士通・IBM秘密交渉

IBMと富士通の間でかつて紛争があったことは知っていたが、具体的な内容は知らなかった。
この本で詳細を知り、ほんの20数年前にこんなことがあったのかと驚いた。

あとがきで著者はつぎのように書いている。

この小説はリアルに描いてはいるが、すべてが創作で、フィクションである。筋書き、登場人物、登場人物の会話など、すべてが作り物である。
しかし中には事実と一致する部分もある。なぜならそれは、1997年4月30日のIBM-富士通との間で「事件」の終結合意書が調印され、守秘義務は消滅し、関係者が事実を語ることがゆるされたからである。
フィクションであると書いてはいるが、著者は当時富士通で実際に交渉に当たった人物であるらしい。したがってほぼ実話でないかと想像する。

日米貿易摩擦など時代背景はあったのであろうが、おとり捜査までして日立や三菱電機の社員をアメリカで逮捕するのか。すごいなぁアメリカとIBM。
本書は最初の8か月の交渉部分のみであるが、訴訟でそのあと10年以上最終決定までにかかったようだ。
交渉の結果に関してはどちらに有利であったかの判断は難しいが、非常にシビアなものであったことは文章から伝わってくる。

今もIT産業はアメリカ主導であるが、当時はもっとアメリカ(IBM)が主導権を握っていたと想像する。きっとこの頃の頑張りがあったからこそ現在のく日本のコンピュータメーカーがあるのだろう。

まあ、時は流れいまや汎用機はコンピュータの主役ではなく、UNIXとパーソナルコンピュータに移ってしまったが。

交渉の中身よりも、過去にこういう紛争があったということが新鮮な気がした。

あとがきで著者が書いているが、現役の官僚とビジネスマン、高度経済成長を担ってきた団塊世代の官僚とビジネスマンに読んでもらいたい1冊である。

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2008/08/02

リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間

リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なことに続き、リッツ・カールトンに関する本を読んだ。

今回は日本にリッツ・カールトンができる前からアメリカのリッツ・カールトンで働き、大阪や東京での開業に携わった高野氏が著者。

リッツ・カールトンの考え方はある程度わかっているつもりだったが、本作でも参考になることが多数あった。

なぜお客様に行き届いたサービスができるのかという点について。リッツカールトンではスタッフの誕生日や入社記念日を祝うというシステムができているおり、たとえば入社8年目の従業員がいれば、8の字にくりぬいたクッキーや8という数字の入ったオブジェをプレゼントするらしい。
ふだんから祝うということを定着させているため感性が磨かれ、お客様に対して行き届いたサービスにつながる。

企業によっては部署が違えば別会社のように関わりが希薄であったり、場合によっては敵対したりすることもある。しかしリッツカールトンではそうならないための仕組みがある。
まず、クレドで従業員の考え方が統一されている。

リッツ・カールトンではクレドはマニュアルであるという捉え方は決してしません。マニュアルというのは毎日の企業活動の中で、たとえば危機管理、衛生管理、効率化など、誰が携わっても一定の結果を実現させるうえで不可欠な指南書であり、また物差しであると言えます。それに対して、クレドは「感性の羅針盤」のようなものです。現場で問題に直面したときや、お客様のさまざまなライフステージに立ち会うときなどに、その従業員の行動指針がクレドカードを読み解くことによって示されるのです。さらにその感性を全従業員が共有することで、ぶれない方向性が保たれます。
そして、「ファーストクラス・カード」を利用し、他部署のメンバーに助けてもらったときには感謝の意を現わすとともに、人事査定にも利用して積極的な連携を促している。

また、リーダークラスの意識もすばらしい。

このとき、どのチーフも必ず次のように力説します。
「私たちのセクションの仕事の役割はこんな内容です。でも、私たちの目的はみんなと一緒です」
つまり、それぞれに与えられた役割は違うけど、それはリッツ・カールトンのひとつのビジョンやミッションのもとに行われていて、みんな目的は一緒なのだということを伝えているのです。
新入社員は地味で単純な仕事をさせられるものであり、場合によっては見切りをつけてすぐに辞められてしまうケースもあるのだが、リッツカールトンではそのならないように意識している。

まず初めに、地味な現場の仕事の大切さ、それらの仕事が会社のビジョン達成のためにどういう意味合いがあるのか、それを明確に納得できるように伝えるということです。企業が犯す最大の罪は、従業員にビジョンなき仕事をさせることだ、とはリッツ・カールトンの創立者、ホルスト・シュルツィの言葉です。
次に、社員の感性の高さや向上心などを見抜き、それを伸ばしていく職場環境を全社的に整えること。ビジョンなき単純作業を10年重ねてチーフになった人は、次の世代に対しても同じことをするものです。
さらには、リッツカールトンは採用の段階で自社の文化に適応できるか独特の方法でチェックしていることに驚かされた。
面接会場は大宴会場。入口にはドアマンが2人立って応募者を出迎え。そして場合によってはプロのミュージシャンがピアノ演奏までしたなかでの面接。管理職がウェイターとしてコーヒーやジュースを運ぶ。

入社試験のためにいったいどうしてここまでやるのか。もともとリッツ・カールトンには相手がだれであろうと「親切なおもてなし」をする文化がありますが、理由はそれだけではありません。
もうひとつの理由は、他の応募者の反応を見て気付きました。350人の募集に対して約3000人の応募があったのですが、会場の雰囲気を見た半分くらいの人が、
「自分には合わない。もっと普通のホテルで働いたほうが気が楽だ」
と言って帰ってしまったのです。
応募者にもお客様と同じようなおもてなしをするのは、じつは最初にリッツ・カールトンの理念や価値観を伝えるためです。
実際に自分が受けたサービスを通して、リッツ・カールトンの文化に適応できるのか、もしくは本当に適応したいのかを考えてもらう狙いがあったのです。面接試験は、いわばお見合いのようなもの。お互いの価値観を最初にしっかり披露しあい、感性が合えば結婚すればいいのです。
本書は、経営者だけでなくすべてのビジネスマンにお薦めする1冊だ。

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2008/07/18

グーグルに勝つ広告モデル

テレビ・新聞・雑誌・ラジオの4大マスメディアとグーグルに代表されるインターネットを比較し、既存のマスメディアの生き残り戦略を書いている。

統計を基に分析しており、ある程度うなずける内容が多かった。まぁ、これをすればグーグルに確実に勝てるという方法は明確にはかいていなかったが..

グーグルとヤフーの違いとして、ヤフーはトップページにいろいろコンテンツを乗せて「認知(アテンション)」させることが目的なのに対して、グーグルはトップページは簡素にし、検索結果で広告を載せる「能動的な興味(インタレスト)」を引き出しているという記述がある。トップページの比較は何度も聞いたことがあるが、認知と興味という分析を聞いたのは初めてだったので新鮮な感じがした。

ここまで、ネットと新聞の比較を軸足に、将来の方向性仮説について述べてきましたが、筆者自身は、物理的な紙の新聞を各家庭に届ける宅配ネットワークという仕組みこそ、新聞社が保有するネットメディアに対する中核的な競争能力の礎ではないかと考えています。
この部分に関しては同意する。インターネットが普及してネットショップでの購入が増えているのだから、新聞配達ネットワークを有効活用するというのは非常に有効であろう。

「LEON」は「年収2000万円以上で、月に30~50万円程度の自由になる小遣いのある30~40代男性」というターゲット設定をしていますが、図15に見られるように、30~40代で年収2000万円以上という人は、構成比としては0.1%程度にしか日本にいません。
普通にビジネスプランとしてこの企画を考えると、「あまりにターゲットが狭い」ということになるのですが、ここがミソで、年収2000万円以上がターゲット、と公言することによって、年収数百万円~1200万円くらいの一般層を、読者として取り込んでいるわけです。

このことは知らなかった。LEONを購入したことはないのだが、確かになんとなく上級のライフスタイルのイメージがあり、憧れみたいなものはあるなぁ。うまくターゲットをずらしているなぁ。

ウィキペディアは、グーテンベルクからグーグルが登場するまでの「旧世界」がずっと発展させてきたこの「知のバリューチェーン」から、無料で情報という栄養をもらってコンテンツを拡充するという寄生虫のような構造で肥大化しています。
ここで問題になるのは、ウィキペディアがフリーであるがゆえに、強大な普及力を有しているという点です。そのため「知のバリューチェーン」を循環する経済価値が減少し、ウィキペディアが循環的に依存していた「信用できる」情報源が、事業運営上の深刻な困難を迎える可能性があるのです。そうなると、ウィキペディア自体も中長期的には生きながらえることはないでしょう。ここに大きなジレンマがあります。
この部分については賛同できない。BBCやニューヨークタイムズのような「信用できる」情報源と、ウィキペディアはすみわけができている。少なくとも私は使い分けをしている。

例えば何か事件が起こったとき、速報的にその情報を仕入れるのは新聞社など「信用できる」情報源からである。事件直後ではウィキペディアには網羅的に情報がまとまっていることを期待していないのでウィキペディアでにはアクセスしない。
逆に、昔あった事柄について知りたい場合には、ニュースサイトではなくウィキペディアを利用する。網羅的にまとめられているからだ。

ということで、私は新聞社など「信用できる」情報源と、ウィキペディアはともに生きながらえていくと考えている。

本書はマスメディアの現状と今後の広告モデルについてわかりやすく分析している良書である。特にマスメディアには直接ビジネスでかかわっていない人に薦めたい1冊。

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2008/07/15

ラクをしないと成果は出ない

著者は日垣隆氏。私はどういう人だか知らなかったのだが、公式Webの自己紹介はこちら

本書には著者の思う仕事の鉄則が100個書かれている。見開き2ページに1つの内容が書かれており、2ページめの最後にはポイントとして1行で簡潔に内容がまとまっている。1つ1つ独立した内容なので、細切れの時間に読んでいくことも可能。このあたりに著者の工夫がみられる。

仕事の内容や周りの環境などにより仕事の鉄則は違うので、すべての項目に共感できるわけではないが、誰でもいくつかは共感できる項目があるのではないかと思う。

ちなみに私が共感できたのは次の項目。

  • よくわからなかったら、現場に行って考える
  • ウソには必ず理由や背景がある。それを探るとインプットが効率的になる。
  • 人から薦められたものは、無理をしてでも即日取り入れる
  • 「なるほど」と思ったことは、24時間以内に「やる」メドをつける

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2008/07/09

35歳までに年収2000万円になる

人材ソリューション企業「レイス」でスカウト事業を手がけている著者が語る転職論。

現状に満足せずに、ステップアップ転職をすれば年収もあがるという内容。
著者は転職を支援するのが仕事なので、100パーセント鵜呑みにはできない。ただ結構もっともだと思われることが書かれている。特に次の部分。

「知名度の低い会社から、一部上場の有名企業に移籍した」
「斜陽産業の古い会社から、勢いのあるIT業界に転職した」
というと、なんとなくステップアップしたように聞こえますが、仕事の内容や役割が変わらないのであれば、ただキャリアをスライドさせただけ。転職の回数が無駄に増えただけで、意味のある転職だとは思えません。

ステップアップという意味では、会社の規模ではなく自分の役割や裁量権がアップするような転職を意識する必要があるだろう。例えば30代になればマネジメント経験も求められてくるので、今の会社でマネジメント経験を積める環境がないのならば別の会社で経験を積んだ方が長い目でみるとプラスになる。

本書では、大手企業の社員ほど30代で成長しにくいと説明している。マニュアル化や細分化がその原因として挙げられている。
大手企業で働いていて、仕事のスピードの遅さに嘆いている人、全体でなく一部にしか携われないと嘆いている人、上の世代が詰まっていてマネジメント経験を積めそうにない人は、ベンチャーに転職したほうがよいかもしれない。

一般的には中小企業よりも大企業の方が給料が高いが、中小企業で儲かっているところの上級幹部になれば、大企業の平社員でいるよりも給料が高いケースがあるようだ。本書では何件かその例を紹介している。

まぁまずは自分のキャリアプランを描くことが1番。何をしたいのか、どうなりたいのか考えた上で、現状の仕事を続ければよいのか転職したほうがよいのかを考える。

採用する側も人を選ぶわけで、今の会社が嫌だから転職したいという後ろ向きな気持の人は取りたくないだろう。自分が転職すればどのような貢献ができるか十分に考えて説明する必要がある。

今は昔と違い転職がありきたりの時代になったので、長い目で見てプラスになると思えば転職するのはありだろう。

本書は、今の仕事や会社に満足していない人にお薦めの1冊。

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2008/07/06

統計でウソをつく法

サブタイトルは「数式を使わない統計学入門」。

以前から統計は鵜呑みにできないと思っていたのだが、この本を読んでやっぱりそうかと思った。

統計に関するごまかしは何パターンかある。

1.データの取得方法
偏りなく多数のデータを取得しているか。
例えば国民の所得に関する統計をとる場合、インターネット限定で調査をすればインターネットを利用していない層のデータが取得できず偏りが生じる。
また、わずか数人分のデータしか取得していない場合は、対象が少なすぎてデータとしての正確性に欠ける。
利害関係が絡む場合には、何度も統計を取った上で自分に都合のよいデータのみを採用するケースがある。
また、質問の内容によっては、回答する人が勘違いして間違った情報を提供する可能性もある。

2.結果の見せ方
結果をグラフ化して見せる場合、グラフの描き方によって印象が大きく変わる。たとえばある事象に関して、1年の間に値が10000から10100に変動した場合を考える。グラフの縦軸を0から10010にするとほとんど増加していないように見える。しかし、グラフの縦軸を10000から10100にすると極端に増加しているように見える。
また、たとえば人の平均身長が10年前に160cmだったのが現在は170cmであるとする。この場合に2人の人の絵を描いて、高さの比率を16:17にするグラフを見かけることがある。しかし人の絵は2次元で書かれており、実際には16×16:17×17に見え、実際の身長以上の差を見せる結果になる。もしも絵を3次元ぽく描いている場合には、3乗の差があるように錯覚を引き起こす。

3.結果分析
サンプルは正しくても、結果の分析を間違えることがある。
例えば喫煙の有無と学校の成績に関する統計を取る場合を考える。仮に喫煙する生徒ほど学校の成績が悪いといった結果が出てきた場合、これにより喫煙すると頭が悪くなると結論づけるのは間違いである。なぜなら相関関係があるといっても因果関係ははっきりしないからだ。喫煙したから頭が悪くなったのではなく、頭が悪いから喫煙をしたのではないかという仮説も考えられる。
したがって、因果関係まで勝手に特定することは間違いである。

本書は特に難しい数式を使うことなく説明されているので、文系の人にもお薦めの1冊である。

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2008/06/14

おもてなしの経営学

著者は人気ブログ Life is beautiful でおなじみの中島聡氏。

3章から構成されており、1章はブログエントリを引用しつつ「おもてなし」というキーワードでアップルやYouTubeを分析する。2章は「月刊アスキー」のコラムからの引用。3章は西村博之氏、古川亨氏、梅田望夫氏との対談となっている。

まず、全体を読んで驚きはマイクロソフトでこれだけ活躍していた日本人がいたのかということ。アメリカでWindows95やIEの開発に主要メンバーとして関わり、日本人として唯一トップランク200人のエンジニアだったというのだからすごい。
そして、40歳を過ぎて自分で会社を立ち上げてもまだ一線のエンジニアとしてプログラムを書いているというのもすごい。技術者のロールモデルになれる人だ。

3章の対談に関しては、古川氏とは昔を懐かしみ同窓会のような雰囲気、梅田氏とは同年代かつ同じ海外在住者として分野は違えど共感する部分が多いといった内容になっている。ひろゆき氏との対談は若干噛み合っていないような感じがした。個人的には古川氏との対談で、昔のアスキーやマイクロソフトでの働きぶりなどが紹介されておりおもしろかった。

日本という小さな枠ではなく、世界に通用する作品を作りたいという気持ちが大きくなった。
また、単に技術的な能力だけでなく、ビジネスモデルも含め自分でプロデュースする人間になりたいと思った。

すべてのビジネスマン、とくに現状の環境に違和感を抱いている技術者に特にお勧めの1冊。

以下は特に印象に残った箇所の抜粋である。
床屋の満足
語源は、筆者の名前は忘れてしまったが、大昔に読んだエッセイである。そのエッセイの筆者は、「いかにも床屋に行ってきました」という髪形をして人に会うのが恥ずかしいので、いつも床屋さんに行くと、「床屋に行ったばかりとはわからないようにしてくださいね」と頼むのだそうだ。しかし、ほとんどの床屋がそのリクエストを無視して、「いかにも床屋に行ってきました」という髪形にしてしまうらしい。彼は、床屋さんにとっては、お客を「いかにも床屋にいってきました」というさっぱりした髪型で店から送り出すことが仕事の充実感・満足感を与えるとても大切な要素となっている、と結論付けていた。このエッセイを読んで以来、私は心の中で、これに相当する行動パターンを「床屋の満足」と読んできた。
英語の勉強だけはいくつになってはじめても遅くはない。学生であれ社会人であれ、まずは(多くの人が不得手な)英会話から初めて、英語の論文なりブログなりで、できるだけ多くの英語に触れる努力をすることを強くおすすめしたい。知識労働者にとって、日々自分の人材市場での価値を高めることに努力することは、すなわち「職場を選ぶ力を得る」ことに直結する。終身雇用制が崩壊しつつあり、誰にでもできる簡単な労働は知識労働ですら海外にアウトソースされようとしている昨今、自分の価値を高めて「職場を選ぶ力を得る」ことは、ますます大切になっている。その意味でも、世界規模で見た人材市場での価値に直結する英語力を持っておくのは、必ずプラスになると断言できる。
あるエンジニアの人に、仕事人にはふたつのタイプがいるという話を聞いたことがあるんだ。「上を見て」仕事をするタイプと、「天を見て」仕事をするタイプ。城氏の顔色や直近の自分の損得だけで動くのが「上を見て」仕事をする人。「天を見て」仕事をする人は、会社や上司のためではなくお客様のためにいい仕事をする、この技術が未来につながるとか社会的に必要だという美学を貫き、自分の信条を持って動く。
でも今はマイクロソフト、というかIT産業全体に言えることかもしれないけど、何か新しいことをしようとすると「本当にそれでいいのか」と、自分は生産的なことにかかわらないのに他人のブレーキを踏むような人たちが多い。もっと多くの人に使ってもらうだとか、会社をさらに大きくするとか、代案としてこちらのほうが絶対に優れていると証明できるようなものをもちあわせているならいいけど、単にお前が目立つのが嫌いだとか、お前に決められるのが面白くないという理由だけで足をすくう人たちばかり。

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2008/06/06

あなたもいままでの10倍速く本が読める

本が速く読めるというフォトリーディングに関する本。
私は本を読むスピードが遅いので、速読がしたいと思って読んでみた。

他の速読法とは違い、右脳を利用して写真を撮るようにページをイメージとして脳に保存する方法と理解した。なんとなくよさそうな気はするが、この本だけではその方法をマスターするのは難しいだろう。

目の焦点を本よりも遠くに合わせることにより、ぼぉっとした感じで本を見るらしい。しかし目の動かし方やどの程度見てからページをめくるのかといったあたりについてはよく理解できなかった。ぼぉっとした見方についても文字が読めるまでには至っていない。

マスターするには講習会に参加しないとだめなのだろう。

フォトリーディングがどんなものであるか概要を知りたい人にお薦めの書籍。

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2008/05/11

ツキを呼び込む成功法則

サブタイトルはツイてる人生=よい気分+よい口ぐせ+よい体ぐせ

栄養生化学、健康心理学の専門家である著者がツキを科学的に分析し、どのような生活習慣をすればツキを呼び込むことができるかまとめた本。

最初の50ページほどはあまり期待した内容ではなかったのだが、そのあとの内容に関しては非常に参考になった。

まとめれば、肯定的な思考や発言を行い、適度な運動をし、かつ栄養を十分にとる(サプリメント)ことにより、人生が好転するということであろう。

一番参考になったのは、サプリメントの取得に関する部分。
今までサプリメントは一切摂らなかったのだが、その理由として、サプリメントで取得すると食事から栄養を吸収する力が落ちるのではないかと危惧していたため。
しかし、本書によるとそうではないらしい。

このような研究により、ビタミンCやビタミンE、ベータカロチンなどは食物に含まれる量をはるかに超える量を摂取することにより、老化防止と成人病の予防に創造以上の効果がもたらされ、摂取しないことは不要な老化を招いて詩を早めることになると理解されるようになっています。
これからはサプリメントを摂ろう。

思考の仕方について、次の部分が非常に参考になった。
人間の脳は、死ぬ直前まで成長をやめません。大切なのは、そういう認識があるかどうかです。体にはビタミンがよく効き、脳には前向きな考え方がよく効きます。脳というコンピュータに前向きな栄養剤を与えることで、脳はますます豊かに成長していくのです。
例えば、「もう歳だから。。。」という発言をする場合、裏には年とともに体は衰えていくという思考があるため脳や体はその思考に従って衰えていこうとする。逆に同じ年齢であっても、「まだまだ○○歳だから、これから伸びていける」という発言をすることにより、脳や体はまだ成長しようとする。
自分を否定せず、いかにプラス思考になれるかが大切だということであろう。

また、他人に対して批判的な発言をした場合でも、脳は誰に対する批判かの判断はできず常に自分に対する発言として受け取ってしまうらしい。結果的に自分を批判する発言と受け取ってしまいマイナスに働くため、他人を批判することもやめた方がよいそうだ。

また、自分に困難が訪れた場合には、次の考え方をするとよいそうだ。

法則1 自分に起きることは、いかなることも自分にプラスになることである
法則2 自分に起きることは、いかなることでも自分で解決できることである
(自分に解決できないことは、自分には起きない)
法則3 自分に起きた問題の解決策は、途方もない方角からやってくる
(だから、今お手上げ状態でも決してめげてはならない)

幸せになるための絶対条件として、次の文章が印象に残った。
幸せになりたかった善意を貯えなさい。そうすれば、あなたの家は幸福の貯蔵庫になります。
時間や労力を使って何度も善意を与えた人にまったく感謝されず、こちらが困ったときになんの手助けもしてもらえないケースがあるとする。その場合、あれだけ尽くしてあげたのにどうしてこちらが困っているときに助けてくれないのだという気持ちになりがちだが、それは善意の裏に見返りを求めていることになる。
はじめから見返りを求めず、善意を与えるのは自分のためと考えて、善意のたびに自分の幸福貯蔵庫が満たされていくと考えれば見返りを求める気持ちはなくなる。

本書は非常に参考になる本だった。すべての人にお薦めの1冊。

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2008/04/19

リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと

リッツカールトンといえば顧客満足度が高いことで有名だが、著者はリッツカールトン大阪の元営業統括支配人。

まず一番驚いたのが著者の経歴。リッツカールトンの幹部だから、きっと留学してホテル学科を卒業しそのあとは欧米の高級ホテルに勤務して....というような国際派エリートをイメージしていた。しかし実際は高卒でホテル勤務経験なし、しかも英語がしゃべれない。
それでよく採用されたと思うのだが、著者いわく大阪に多くの人脈があったかららしい。

本書は前半がリッツカールトンでの経験、後半は著者が考える魅力的な人物の作り方となっている。

まずは前半部分。
キーワード1: ノーといわない
リッツカールトンの接客の特徴は「ノーといわない」ことだそうだ。満室の状態で予約の電話が入った場合、普通であれば満室だから無理(=ノー)と答えるところだが、リッツカールトンではこのホテルは満室だが、差し支えなければ近くのホテルの空き状況と料金を聞いてご連絡差し上げますと回答するらしい。
たしかにすごい。普通はそこまでは言わない。

キーワード2: 感動を与える
ミスやトラブルはopportunityと呼ばれ、お客様との新たな関係性を図る機会と考える。そして、全スタッフが20万円までの決裁権をもっており、上司に相談することなくその場でお客様に対応できる。
テレビ番組の特集で見た話だが、費用はトラブルが起こった時だけに使うのではなく、宿泊客が誕生日と知ればケーキをプレゼントするといったサービスにも使えるようだ。たしかにそういうサービスをしてもらうなら客は感動するかもしれない。ただ、採算としては問題ないのかという話が気になるのだが、リッツカールトンは上位5%の富裕層をターゲットにしており、感動を与えてリピーターになってもらえれば十分利益を出せるという考えなのだろうと想像する。

キーワード3: 従業員の意識統一
従業員全員がクレドに基づき行動する。
クレドとは信条や経営哲学のたぐいのことで、どういう方針で仕事をするかといったことが書かれたもの。
リッツカールトンの場合は、書かれた方針をいかに自分の職場で実践・浸透させていくかに力をいれているため、接客で即座に判断が必要な場合など上司に相談せずともクレドに基づき自分で判断できる。
日本の会社でも経営方針を壁にはったりカードにしてもたせるケースはあるが、単なるお題目ととらえ真剣に意識して行動する人はほとんどいないのではないか。。

後半部分で印象に残った点。

組織・グループは逆ピラミッド型にすればうまくいく
お客様が一番上にいて、それを支えるのが現場のスタッフ。その現場のスタッフを支えるのが幹部社員、そして一番下のピラミッドの頂点は全責任を負った社長という考え方。
すばらしい。そういう意識の幹部がいるところで働きたい。

人間関係ができていれば理屈ぬきで人は動く
人間には感情があるので、理詰めの指示だけでは人は動かない。組織は理屈ではなくハートで動かす。
たしかにそのとおり。普段からの人間関係ができていないと人は離れていくし心から納得してやっていないのでミスも多くなるだろう。

これ以外にも、後半を読むとためになることがいっぱい書かれている。そして、著者が20代の頃からものすごく自分を磨いていたことがよくわかる。
社会人にも学生にも是非読んでもらいたい一冊。


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2008/03/29

なぜ仕事するの?

著者はDoCoMoのiモード生みの親、松永真理さん。30代が終わろうというときに、中間決算をやっておきたいとういう衝動からかいた一冊。
松永さんは元々リクルートで「就職ジャーナル」「とらばーゆ」の編集長をしていたので、企業、就転職希望者双方との接点があり、いろいろなケースを見てきている。それに加え自身の今までの仕事への取り組み・葛藤を交え、仕事とは何かといったことを語っている。内容としては主に女性向けである。

しかしリクルートって本当に人材の宝庫だ。USENの宇野社長や楽天野球団の島田社長など元リクルートで現在活躍している経営者が多い。これはリクルートのプロフィットセンター制度が影響していると思われる。リクルートがなぜこのように人材を輩出しているかは「リクルートのDNA」に詳しく説明されている。

この本は5年ほど前に一度読んでいたが、再度読み直した。

おもしろかったのは、転職がうまくいくかどうかは辞めかたを見ればわかるというくだり。次のパターンでの転職はやめた方がよいとアドバイスしている。

  • 無知からくる転職
    ビジネス社会や企業の成り立ちを知らなさすぎるために、こんなはずじゃなかったと今の会社を辞めたがる。組織への批判は聞けてもなにをやりたいかはでてこない。転職しても同じ行動を繰り返しがち。
  • 人間関係がらみの転職
    あの上司がいないところ、あの先輩がいないところ、あの後輩がいないところとなる。海外へ留学しようか、転職しようか、学校へ戻ろうか、マンションを買おうか、ネコを飼おうかという症状が出る。
  • 女性のライフイベント退職
    結婚・出産でいったん辞めて子育て後に復帰するという。現実はそんな簡単には正社員として復帰はできない。
全体的に軽快なテンポで話が進み、ユーモアがありかつ参考になることが数多く書かれている。仕事について悩んでいる人にお薦めの1冊。

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2008/03/19

「伝説の社員」になれ!

著者は元Amazonでバイヤーをしていた土井英司氏。自らの経験を基に仕事について語る。

年収の高い会社に転職したいと考える人は多いであろうが、著者は単純に年収だけに惑わされてはいけないという。仕事を選ぶ際には、そこでどのような経験ができるか(=どれぐらいお金を払ってでも経験したい内容か)も考慮に入れる必要がある。
たとえば、将来的にステップアップにつながるような経験を積める仕事(年収400万円)と、キャリアアップにつながらない単純作業の仕事(年収600万円)を比較してみる。ステップアップにつながる経験をお金を払って受講すると考えた場合、その受講料として200万円以上払ってもよいと考えるのであれば前者の400万円の仕事の方が価値が高いことになる。つまり単純な年収で比較するのではなく、年収+経験できる内容の価値で仕事を選んだ方がよいというのだ。

この話で思い出したのが、ウェブ進化論の梅田望夫氏。外資系経営コンサルタント会社で働きたいと考えた彼は、MBAも持たず英語もろくにできない状態であった。しかし「給料は最低年俸でよい」、「入社したら一生けん命勉強するから、今の英語力で判断しないでほしい」と懇願し最低年俸で入社した。
おそらくもっと給料の高いところで働くことは可能であったのだろうが、その時点の給料が低くとも、価値のある経験を積みいまや超有名人となっている。

私なら、年収+経験できる内容の価値に加えて自由に使える時間も考慮に入れたい。もっともどれぐらい残業するかは実際に勤務してみないとわかりづらいところではあるが。
労働時間がわかるのであれば、(年収+経験できる内容の価値)/労働時間、すなわち時給で比較するのもよいであろう。

また著者は、給料の高いところに転職するとそれに見合うアウトプットをだすことに注力し、新たな能力開発ができず価値が下がると言っている。
これも納得できる部分がある。自分の場合、今成果を出している仕事は、2,3年前に磨いた能力によるものである。そういう意味では、今も能力を磨いていなければ、進化の速い業界では2,3年後には出せなくなる可能性がある。
成果を出すために7割、能力開発に3割ぐらいの配分で仕事をするのが長期的にみると一番バランスがよいのではないかと考える。

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2008/02/09

ロジカル・シンキング

サブタイトルは「論理的な思考と構成のスキル」。
効率が10倍アップする新・知的生産術でフレームワーク力の構築として薦められていたので読んだ。
マッキンゼー流の思考方法といったところか。
たとえば、自社の事業分析を行うときはこういうパターンで考えよう、マーケティングではこういうパターンで考えようという枠組みがあるので、それにそって考えれば一通りのことは網羅できる。

課題に対する結論を導く方法としてすばらしい。まず、自分自身でうまく整理しきれていない思考をこの方法で整理・分類すればすっきりとまとめられる。その上、人に説明するときに理路整然としており納得してもらいやすくなる。

一番なるほどと思ったのは、提案をする際に結論を真っ先に伝えるか理由を話してから結論を伝えるかという点だ。基本は先に結論、なぜなら最後まで話をきいてもらえるかどうかわからないから。ただし結論に対して反発が予想される場合は、まず根拠を説明して合意を得た上で結論にもっていくとよいらしい。確かにそのとおりだなぁ。そして、それにくわえて、今回の説明にあたり課題がなにかということを冒頭に話した上で説明に入れば、聞く側もポイントを意識して聞けるのでよいとのこと。
プレゼン等する場合の参考になる。

この本は、論理的な思考の仕方を学びたい人、コンサルティング業務などで人に提案するような作業を行う人に特にお薦めの本である。

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2008/01/27

効率が10倍アップする新・知的生産術

サブタイトルは「自分をグーグル化する方法」。
今まで勝間さんの作品を読んだことがなかったが、小飼弾氏のブログで絶賛されていたので購入した。

この本を手に取った第一印象は、「ずいぶん分厚い本だなぁ。」
ただ、実際に読んでみて、分厚さの理由がわかったというか、それだけ出し惜しみせずに勝間さんが真剣に執筆された結果分厚くなったというのが伝わり好印象であった。今まで何十年も生きてきた中で身につけた効率化の手段を1500円で読めると考えると確かに安い。

特に魅かれたのは次の3点。
  1. フレームワーク力
  2. 捨てる技術
  3. フォトリーディング
1.フレームワーク力
情報を如何に体系だてて分類・整理するか。そしてそのことにより本質をつかみ、新しい発想や作業 の効率化につなげていく。
これに関しては日頃から意識していたことではあるが、まだまだ不完全であったと思う。本書でたびたびふれらているマッキンゼーのやりかたを学びたいと思ったので、さっそく「ロジカルシンキング」を入手した。

2.捨てる技術

自分の得意分野/専門分野に特化して時間をかける。広く浅く手を広げても中途半端に終わる。
これに関しては、まぁどちらかというと周辺部分まで広く理解したいという気持ちが強く、とがった1つをうまく構築できていないような気がする。ただ捨てる順番としてはまずはテレビを見る時間だな。

3.フォトリーディング
それほど多くはないといえ年間数十冊本を読んでいるのだが、私は読むのが遅い。もっと速く読めるようになりたいと考えていたのだが、フォトリーディングがお薦めだそうだ。さっそく調べてみたが2日間の講習会で10万円か。ちょっと悩むなぁ...
講習会だけで今の10倍速く読めるようになるのなら受講するが、きっとそうではないだろうなぁ。

この本は時間をもっと有効活用したいと考えている人にお薦めの1冊である。

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2007/12/29

ウェブ時代をゆく

ウェブ進化論フューチャリスト宣言 に続き梅田望夫氏の作品を読んだ。
今回のサブタイトルは「いかに働き、いかに学ぶか」であり、インターネットによる変革の時代をいかに生き抜くかという内容で主に若者へのメッセージとなっている。IT業界に身を置くものとして業界の流れはわかっているのだが、なんとなく感じてはいてもうまく表現できない部分が的確に表現されており感服した。
大きく印象に残ったのは次の2点。

・ロールモデル思考法
「自分の内から湧き出てくる何かが具体的に見えずとも、「ある対象に惹かれた」という直感にこだわり、その対象をロールモデルとして外部に設定する。そしてなぜ自分がその対象に惹かれたのかを考え続ける。それを繰り返していくと、たくさんのロールモデルを発見することが、すなわち自分を見つけることなのだとだんだんわかってくる。自分の志向性について曖昧だったことが、多様なロールモデルの総体として、外側の世界からはっきりとした形で顕れてくる。」

梅田氏の場合、自分の志向性発見のために読書をしていたという。
私の場合、お手本にしたいと思う人を周りに発見できず、そのため結果的に灯台(ロールモデル)のない状態で航海しているようなもので自分の成長の距離感というものがつかめていないような気がした。
人に限らず、本を読んでロールモデルを発見するという考えは試してみたい。

・30歳から45歳という大切な時期を無意識に過ごすな

この項目に関してはまさに耳が痛かった。新卒採用からずっと大組織で働いているのだが、30歳ぐらいまでは確かに仕事を覚え技術スキルが向上している満足感があった。しかし30歳をすぎてからは過去の蓄積だけで無難に仕事をこなせ、「なんとなく」仕事をやる状態になってきた。新しいことを始めようとしても組織のしがらみで許可を得られず、そもそも組織自体がバブル世代が異様に多く上がつかえている状態だ。いっそのことベンチャー企業のような若い勢いのある組織で働いた方がよいのではと考えても、いざそういう連中と話をしてみると、自分はすでに大組織病に侵されていることに気づく。専門部署にいるためビジネスの全体を見渡せないし、そもそもスピード感がない。
まさに自分は「ここではないどこか」で仕事をしたいと考えている一番危ない種類に属する人間だ。
そういう人向けに梅田氏はありがたいアドバイスをしてくれている。

「そういうタイプの人は、「その会社から吸収できることをすべて吸収し、その15年間のできるだけ早い時期に辞める」というビジョンを持って生きるべきだと思う。最終的にその組織を離れないことになったとしても、自覚的に15年をそう生きれば「組織と個の関係」も対等に近づいていくことになるだろう。そんな決意を秘めて働いている人のほうが、逆説的だが、組織内で「輝く個」になれる。「吸収できることをすべて吸収する」と決めたら、多様性と広がりに満ちた組織全体の中で「自分の志向性」に合致する場所を見つけ、積極的に働きかけて、何とかそこに移っていくことである。」

現状は「なんとなく」働いている状態なのでなかなか吸収する意欲がわかないが、辞めると考えるとそれまでに技術や人脈など手にいれられるものは手にいれたいと思うだろう。別の視点で考えれば、今の仕事が満足できないからどこかに移ろうではなくて、今の仕事で頭角を現して誰かから引き抜いてもらえるぐらい自分を成長させようという意気込みで働いていきたい。

この本は自分の生き方に悩んでいる若者に特にお薦めの本である。

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2007/12/19

パーソナルブランディング

自分より仕事の能力が劣っていると思われる人が世間で高評価を受けているケースはないだろうか。自分はあくまでも「仕事の能力」で比較するが、世間はそうではない。どれだけ目立っているかという「認知度」で判断する。そういう意味では仕事の能力だけでなく、パーソナルブランディングも必要なのではないだろうか。

本書は英語の書籍を翻訳している影響かどうかわからないが、なかなか入り込みづらく流し読みした部分もあった。ただ、趣旨は伝わってきた。

世間に埋もれている状態は負けの状態で、何かに特化してでも1つの分野のスペシャリストになること。そして積極的に情報発信し認知されること。

なんとなく大きなヒントをもらったような気がする。認知されない99%は負けだと思い、いかに認知される1%に入るか考え行動していきたい。1年後が楽しみだ。

仕事のスキルはついてきたが、今後の自分の方向性について悩んでいる人にお薦めの本である。

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2007/11/18

プロフェッショナルの条件

P・F・ドラッカーの著作10点及び論文1点から抜粋した生き方・働き方読本。サブタイトルは「いかに成果をあげ、成長するか」。

書いてある内容は非常にすばらしいのだが、どうも頭にはいってこない。すらすらと読めない。。
私がいままで軽い論調の作品しか読んでこなかったのが悪いのか、日本語訳が悪いのかわからないが、どうも難解な言葉で不自然な日本語のように感じ、なかなか作品に集中できなかった。特に前半部分。平易な言葉で要点だけまとめれば、15ページ程度の非常にありがたい作品になるような気がする。

内容は資本主義から知識主義に変革している中でホワイトカラーは組織の中でいかにして仕事に取り組むべきかといった事柄で、非常に参考になることが書かれていた。
特に最終章のIT革命の先に何があるかの部分では、まだまだ変革は起こると書かれており、非常に参考になった。

組織の在り方についても書かれていたが、googleなど新興IT会社を見るにつけ、組織は大きさではなく、いかに能力のある人間に仕事に集中できる環境をあたえることかがポイントであると痛感する。
日本のIT大手では、製造ラインのように組織を分割し有機的につながっていないと思う。

本書は「知識労働者」として働いてる人のうち、現状の仕事の仕方に満足していない人にお薦めの作品である。

最後に、特に感銘を受けた部分を引用させていただく。

「知識労働は、量によって規定されるものではない。コストによって規定されるものでもない。成果によって規制されるものである。部下の数や管理的な仕事の大きさは、知識労働の内容を知る手がかりにはならない。」

(昇進した人がその後成功しないのは)「新しい任務に就いても、前の任務で成功していたこと、昇進をもたらしてくれたことをやり続ける。そのあげく、役に立たない仕事しかできなくなる。正確には、彼ら自身が無能になったからではなく、間違った仕事の仕方をしているために、そうなっている。」

「成果ではなく、権限に焦点を合わせる。組織や上司が自分にしてくれるべきことや、自らがもつべき権限を気にする。その結果、本当の成果をあげられない。」

「よい仕事をすれば、昇給させることにしている。しかし昇進させるのは、
自分の仕事のスケールを大きく変えた者だけだ。」

「何によって憶えられたいか」

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2007/09/10

レバレッジ・シンキング

サブタイトルは「無限大の成果を生み出す4つの自己投資術」。

レバレッジ(てこの原理)を利用して、「労力」「時間」「知識」「人脈」の4点について効率的に成果をあげる方法を記述した本。ハウツー本を読めば書いてある内容もあるが、作者自身が毎日何冊も本を読んでいる人だけあってうまくまとまっており、かつ作者なりのアレンジも入っている。
たとえば人脈に関しては、単に会を主催するだけでなく初対面でも話が弾むための工夫を述べるなど、作者自身が試行錯誤で工夫してきたノウハウが書かれている。
その他、三日坊主にならずにものごとを継続する方法や、効率的に作業をこなすための方法なども書いてあり非常に参考になる。
一生懸命仕事をしている割に成果があがっていない人や、これからもう1段上のレベルにステップアップしたいと考えている人にお薦めの1冊。

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2007/06/24

コツコツ働いても年収300万 好きなことだけして年収1000万

「シリコンバレーで学んだプロの仕事術」という副題がついていたので読んでみた。
まぁ日本の常識は他国では非常識になることもあるので、考え方の幅が広がるという意味で読んでよかった。
ただ、シリコンバレーでもいろんな考え方や個性の人がいるはずなのに、「シリコンバレーではこうだ」とひとまとめにしすぎているように感じた。
あとは、技術者としてシリコンバレーに飛び込んだのかと勝手な想像をしていたのだが、著者は元外交員という肩書きで技術者ではなかったのがちょっと個人的に残念。

一番参考になったのは逆境の意味を変える五つのステップの項で書いてあったABCDE法。

A. 失敗の事実を記述
B. 失敗の原因を分析
C. 失敗の結果おこった感情を記述
D. Bの分析を論破しプラスの意識をもつ
E. 元気回復

あとがきで、著者の経験から中近東は「陰のしたたかさ」、シリコンバレーは「陽のしたたかさ」と表現している。中近東の「陰のしたたかさ」というのがイメージがわかないが興味があるので、それについて本文でもう少し詳しく書いてもらえるとうれしかった。

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2007/06/19

フューチャリスト宣言

ウェブ進化論の梅田望夫氏と脳科学者の茂木健一郎氏の対談。巻末には中学と大学で講演した授業が収録されている。

これは今年一番のお薦め作品。2人の対談を読んでいると限りなく明るい未来が待っているような気がしてわくわくしながらページをめくっていった。

やりたい企画に対してネガティブなコメントばかりされつぶされるという組織のしがらみを感じていたのだが、この本でまさに自分が感じていたことを的確に表現してもらって霧が晴れたような気分になった。組織に慣らされてしまえばきっと自分もおいていかれる、自分の感覚が正しいと思って突き進まなければいけないと改めて思った。
今はまだ所属している組織の名前で信用を得る時代だが、きっと10年後には検索エンジンで自分の名前を検索して出てきたコンテンツで個人の信用を得る時代になるだろう。
そのことを見据えて生活していく。

ウェブ進化論の時もそうであったが、自分では体感していて理解できるけれどもうまい言葉が浮かばないので説明できないという部分を、上の世代の人にもわかるような表現で説明しているところがすばらしい。
梅田さんは自分の著書の書評をくまなく探すということだったので、もしかしたらこの感想も読んでもらえるかもしれない。

茂木さんの本はいままで読んだことがなく、ソニー研究所の人、テレビにでている人、そしてあの髪形は自分でカットしているらしい(ソニーの知り合い談)といった前提知識しかなかったのだが、この本を読んでとても好きになった。ほかの作品も読んでみたいと思う。

そして、最近なぜか茂木さんと佐野元春のルックスが似ていると感じるようになった.....

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