残業を禁止して19期連続増収増益を記録したトリンプの元社長が語る仕事の仕方。
今年一番自分の価値観を揺さぶられた本!
自分の中では残業なんかせずに早く帰りたいという気持ちがあるが、かといって毎日定時に帰るのは気がひける。心のどこかで残業を美徳とする典型的な日本人なのだろう。
しかし著者は残業はしないものときめ、就業時間内に仕事を終えるよう仕事の効率化を説く。
海外で働いた経験のある著者によると、日本人の作業効率はかなり低いそうだ。海外では就業時間内に完了する仕事が日本では残業を必要とする。原因の1つには、日本人ははなから残業するつもりで仕事をしていることがあげられる。そうであれば、残業を禁止してしまえば就業時間内に必死に仕事を終えるのではないかという考えがあったそうだ。
経営者から見れば残業しない人はやる気のない社員に見えるのではないかと思っていた。
しかし著者の主張にあるように、残業するということは余分な人件費がかかることになるので、同じ作業量の仕事をするのであれば就業時間内に終えてくれるほうがうれしいという考え方もあるのか....
定時で帰れる社員にとっては、残業手当がもらえないということはあるが、夕方以降の時間を自由に使えるのであるから、趣味や家族サービスなどに時間をつかえてうれしいだろう。
すべての職種で残業なしでやっていけるかというと疑問な部分もあるが、基本的な考え方として仕事の効率を上げ、なるべく残業しないというのには大いに賛成する。
今後はもっと残業を減らしていきたいし、著者の言うように、仕事を「ゲーム」と割り切っていきたい。
以下は印象に残った箇所。
もっとよくなりたい、現実に満足せず、今より上を目指したいという目標や理想を持って働いているならば、問題というのはあって然るべきものなのです。
ところが、前提条件は共通なのに結論が一致しなかったり、会社にとって最良ではない解決策に全員の意見がまとまってしまったりするような、常識では考えられないことが、現実にはしばしば起こります。
これは、事実を積み上げ、データを分析し、論理的に詰めていく、というロジカルシンキングができていないからにほかなりません。ロジカルシンキングが苦手な日本人は、しばしば「好き」「嫌い」といった感情や情緒で問題解決に対処してしまうのです。
それでは、コミュニケーション不足を解消するにはどうしたらいいのでしょう。これはそれほど難しいことではありません。社員同士が顔を合わせ、話をする場や機会を会社が意図的に作ればいい。だからこそ、私は早朝会議を始めたのです。
まずは、「この人は仕事ができる」と思ったら、その人の一挙手一投足をとにかく観察します。辛抱強くそれを続けていると、やがて、その人がどこにどんな工夫をして仕事をしているのかが、見えてくるはずです。そうしたら、それを盗んで自分のものにする。これをしつこく繰り返すのです。
ところが、そんなことをするのは私ぐらいのもので、ほとんどの人はそのセンターテーブルには近づかず、部屋の隅で固まって、知った顔同士で談笑しながら料理を食べているのです。
自信がないとか、恥ずかしいとか、気後れするとか、でしゃばりと思われたくないとか、そういう気持もわからなくはありません。
でも、私のように「仕事はゲーム」と割り切っていれば、自意識のような邪魔なものは脇において、純粋に「ゲームに勝つためにとるべき最善の方法」をとることができると思うのです。
実際に独立するしないはともかく、いずれは独立するぞ、という志をもっている人と、定年までこのままつつがなくいければいい、という人とでは、成長のスピードがまるで違う、これが私の実感です。
