読書感想文

新刊、休刊、文学、専門書。
あらゆるジャンルの書籍について読書感想を書いていきます。
得意分野: IT関連技術書、ミステリー小説、ベースボール


2008/08/24

「残業ゼロ」の仕事力

残業を禁止して19期連続増収増益を記録したトリンプの元社長が語る仕事の仕方。

今年一番自分の価値観を揺さぶられた本!

自分の中では残業なんかせずに早く帰りたいという気持ちがあるが、かといって毎日定時に帰るのは気がひける。心のどこかで残業を美徳とする典型的な日本人なのだろう。
しかし著者は残業はしないものときめ、就業時間内に仕事を終えるよう仕事の効率化を説く。
海外で働いた経験のある著者によると、日本人の作業効率はかなり低いそうだ。海外では就業時間内に完了する仕事が日本では残業を必要とする。原因の1つには、日本人ははなから残業するつもりで仕事をしていることがあげられる。そうであれば、残業を禁止してしまえば就業時間内に必死に仕事を終えるのではないかという考えがあったそうだ。

経営者から見れば残業しない人はやる気のない社員に見えるのではないかと思っていた。
しかし著者の主張にあるように、残業するということは余分な人件費がかかることになるので、同じ作業量の仕事をするのであれば就業時間内に終えてくれるほうがうれしいという考え方もあるのか....

定時で帰れる社員にとっては、残業手当がもらえないということはあるが、夕方以降の時間を自由に使えるのであるから、趣味や家族サービスなどに時間をつかえてうれしいだろう。

すべての職種で残業なしでやっていけるかというと疑問な部分もあるが、基本的な考え方として仕事の効率を上げ、なるべく残業しないというのには大いに賛成する。
今後はもっと残業を減らしていきたいし、著者の言うように、仕事を「ゲーム」と割り切っていきたい。

以下は印象に残った箇所。

もっとよくなりたい、現実に満足せず、今より上を目指したいという目標や理想を持って働いているならば、問題というのはあって然るべきものなのです。

ところが、前提条件は共通なのに結論が一致しなかったり、会社にとって最良ではない解決策に全員の意見がまとまってしまったりするような、常識では考えられないことが、現実にはしばしば起こります。
これは、事実を積み上げ、データを分析し、論理的に詰めていく、というロジカルシンキングができていないからにほかなりません。ロジカルシンキングが苦手な日本人は、しばしば「好き」「嫌い」といった感情や情緒で問題解決に対処してしまうのです。

それでは、コミュニケーション不足を解消するにはどうしたらいいのでしょう。これはそれほど難しいことではありません。社員同士が顔を合わせ、話をする場や機会を会社が意図的に作ればいい。だからこそ、私は早朝会議を始めたのです。

まずは、「この人は仕事ができる」と思ったら、その人の一挙手一投足をとにかく観察します。辛抱強くそれを続けていると、やがて、その人がどこにどんな工夫をして仕事をしているのかが、見えてくるはずです。そうしたら、それを盗んで自分のものにする。これをしつこく繰り返すのです。

ところが、そんなことをするのは私ぐらいのもので、ほとんどの人はそのセンターテーブルには近づかず、部屋の隅で固まって、知った顔同士で談笑しながら料理を食べているのです。
自信がないとか、恥ずかしいとか、気後れするとか、でしゃばりと思われたくないとか、そういう気持もわからなくはありません。
でも、私のように「仕事はゲーム」と割り切っていれば、自意識のような邪魔なものは脇において、純粋に「ゲームに勝つためにとるべき最善の方法」をとることができると思うのです。
実際に独立するしないはともかく、いずれは独立するぞ、という志をもっている人と、定年までこのままつつがなくいければいい、という人とでは、成長のスピードがまるで違う、これが私の実感です。

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2008/08/03

雲を掴め 富士通・IBM秘密交渉

IBMと富士通の間でかつて紛争があったことは知っていたが、具体的な内容は知らなかった。
この本で詳細を知り、ほんの20数年前にこんなことがあったのかと驚いた。

あとがきで著者はつぎのように書いている。

この小説はリアルに描いてはいるが、すべてが創作で、フィクションである。筋書き、登場人物、登場人物の会話など、すべてが作り物である。
しかし中には事実と一致する部分もある。なぜならそれは、1997年4月30日のIBM-富士通との間で「事件」の終結合意書が調印され、守秘義務は消滅し、関係者が事実を語ることがゆるされたからである。
フィクションであると書いてはいるが、著者は当時富士通で実際に交渉に当たった人物であるらしい。したがってほぼ実話でないかと想像する。

日米貿易摩擦など時代背景はあったのであろうが、おとり捜査までして日立や三菱電機の社員をアメリカで逮捕するのか。すごいなぁアメリカとIBM。
本書は最初の8か月の交渉部分のみであるが、訴訟でそのあと10年以上最終決定までにかかったようだ。
交渉の結果に関してはどちらに有利であったかの判断は難しいが、非常にシビアなものであったことは文章から伝わってくる。

今もIT産業はアメリカ主導であるが、当時はもっとアメリカ(IBM)が主導権を握っていたと想像する。きっとこの頃の頑張りがあったからこそ現在のく日本のコンピュータメーカーがあるのだろう。

まあ、時は流れいまや汎用機はコンピュータの主役ではなく、UNIXとパーソナルコンピュータに移ってしまったが。

交渉の中身よりも、過去にこういう紛争があったということが新鮮な気がした。

あとがきで著者が書いているが、現役の官僚とビジネスマン、高度経済成長を担ってきた団塊世代の官僚とビジネスマンに読んでもらいたい1冊である。

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2008/07/27

タクシー王子、東京を往く

日本交通の3代目若社長が実際にタクシードライバーとして働いた1か月間のドキュメント。
私は普段タクシーに乗ることはあまりないので、表面には見えないタクシードライバーの仕事というものがわかって面白かった。と同時に、自ら体を張って現場を経験する社長に感動した。

この社長は37歳で、経歴が 慶応 -> ノースウェスタン大学MBA -> マッキンゼー日本支社 と私から見れば超エリート。そしてその後家業の日本交通に入社して34歳で社長に就任。
そういうわけでタクシードライバーの経験なしで社長になってしまったためであろう、現場を学びたいということで1ヶ月間タクシードライバーとして働くことに決めて実際に実行した。
1回の乗車で22時間ぐらい働く関係で1か月といえど実際には13回の乗車であるが、それでも一般のタクシードライバー同様に長時間勤務をやり遂げたことは称賛に値する。

社長は社長業に専念しろ、パフォーマンスはやめろといった意見もあったようであるが、私の感覚では現場を理解するための行動をとる社長は偉い。
タクシードライバーにしてみれば、現場を知らず絵に描いた餅のような戦略をいう社長のいうことはあまり信用できないだろうが、体を張って実際に現場を理解しようとする社長の言うことは聞く気になるだろう。
社長は次のように書いている。

次の30年を見据え、3代目の自分に、いま一番必要なものはなにか?
それはおそらく、現場感覚。ハンドルを握った最前線での経験だろう。MBAやマッキンゼーで学んだ机上の論理も重要だとは思う。しかし、そうした高度1万メートルでの空中線が活きるのは、あくまでも地上戦を知ってこそ。
創業者である祖父の川鍋秋蔵は、お抱え運転手として10年間自分でハンドルを握った。初代を100とすると、いまの自分の現場感覚は1くらいである。でも、1か月集中して乗れば、10くらいにはなるのではないか?そしてその経験は、社長としての1か月よりも、多くのことを教えてくれるのではないだろうか?

日本交通ではGPSシステムを導入していて、ドライバーにとって非常に便利であることが書かれているのだが、特に驚いたのが次。

お断りしてから一時停止すると、お客様が後ろからニュッと1枚のカードを差し出した。GPSコードだ!ウチのタクシーの領収書には、降りた場所のGPSコードが印字されるようになっている。次回、運転手がGPSコードを入力すると、自動で行き先がナビにセットされるという優れものだ。
領収書にGPSコードを印字して、次回以降はそれをみせればよいというのはドライバー、客双方にとってとても便利なシステムだ。ここまでシステムが進んでいたのか!

本書は、経営者に読んでもらいたい本である。と同時に、今年読んだドキュメンタリー本の中でもトップクラスの面白さであるので、娯楽本として一般の人にも気軽に読んでみてもらいたい本である。
本当にお薦めの1冊である。

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2008/07/18

グーグルに勝つ広告モデル

テレビ・新聞・雑誌・ラジオの4大マスメディアとグーグルに代表されるインターネットを比較し、既存のマスメディアの生き残り戦略を書いている。

統計を基に分析しており、ある程度うなずける内容が多かった。まぁ、これをすればグーグルに確実に勝てるという方法は明確にはかいていなかったが..

グーグルとヤフーの違いとして、ヤフーはトップページにいろいろコンテンツを乗せて「認知(アテンション)」させることが目的なのに対して、グーグルはトップページは簡素にし、検索結果で広告を載せる「能動的な興味(インタレスト)」を引き出しているという記述がある。トップページの比較は何度も聞いたことがあるが、認知と興味という分析を聞いたのは初めてだったので新鮮な感じがした。

ここまで、ネットと新聞の比較を軸足に、将来の方向性仮説について述べてきましたが、筆者自身は、物理的な紙の新聞を各家庭に届ける宅配ネットワークという仕組みこそ、新聞社が保有するネットメディアに対する中核的な競争能力の礎ではないかと考えています。
この部分に関しては同意する。インターネットが普及してネットショップでの購入が増えているのだから、新聞配達ネットワークを有効活用するというのは非常に有効であろう。

「LEON」は「年収2000万円以上で、月に30~50万円程度の自由になる小遣いのある30~40代男性」というターゲット設定をしていますが、図15に見られるように、30~40代で年収2000万円以上という人は、構成比としては0.1%程度にしか日本にいません。
普通にビジネスプランとしてこの企画を考えると、「あまりにターゲットが狭い」ということになるのですが、ここがミソで、年収2000万円以上がターゲット、と公言することによって、年収数百万円~1200万円くらいの一般層を、読者として取り込んでいるわけです。

このことは知らなかった。LEONを購入したことはないのだが、確かになんとなく上級のライフスタイルのイメージがあり、憧れみたいなものはあるなぁ。うまくターゲットをずらしているなぁ。

ウィキペディアは、グーテンベルクからグーグルが登場するまでの「旧世界」がずっと発展させてきたこの「知のバリューチェーン」から、無料で情報という栄養をもらってコンテンツを拡充するという寄生虫のような構造で肥大化しています。
ここで問題になるのは、ウィキペディアがフリーであるがゆえに、強大な普及力を有しているという点です。そのため「知のバリューチェーン」を循環する経済価値が減少し、ウィキペディアが循環的に依存していた「信用できる」情報源が、事業運営上の深刻な困難を迎える可能性があるのです。そうなると、ウィキペディア自体も中長期的には生きながらえることはないでしょう。ここに大きなジレンマがあります。
この部分については賛同できない。BBCやニューヨークタイムズのような「信用できる」情報源と、ウィキペディアはすみわけができている。少なくとも私は使い分けをしている。

例えば何か事件が起こったとき、速報的にその情報を仕入れるのは新聞社など「信用できる」情報源からである。事件直後ではウィキペディアには網羅的に情報がまとまっていることを期待していないのでウィキペディアでにはアクセスしない。
逆に、昔あった事柄について知りたい場合には、ニュースサイトではなくウィキペディアを利用する。網羅的にまとめられているからだ。

ということで、私は新聞社など「信用できる」情報源と、ウィキペディアはともに生きながらえていくと考えている。

本書はマスメディアの現状と今後の広告モデルについてわかりやすく分析している良書である。特にマスメディアには直接ビジネスでかかわっていない人に薦めたい1冊。

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2008/07/09

35歳までに年収2000万円になる

人材ソリューション企業「レイス」でスカウト事業を手がけている著者が語る転職論。

現状に満足せずに、ステップアップ転職をすれば年収もあがるという内容。
著者は転職を支援するのが仕事なので、100パーセント鵜呑みにはできない。ただ結構もっともだと思われることが書かれている。特に次の部分。

「知名度の低い会社から、一部上場の有名企業に移籍した」
「斜陽産業の古い会社から、勢いのあるIT業界に転職した」
というと、なんとなくステップアップしたように聞こえますが、仕事の内容や役割が変わらないのであれば、ただキャリアをスライドさせただけ。転職の回数が無駄に増えただけで、意味のある転職だとは思えません。

ステップアップという意味では、会社の規模ではなく自分の役割や裁量権がアップするような転職を意識する必要があるだろう。例えば30代になればマネジメント経験も求められてくるので、今の会社でマネジメント経験を積める環境がないのならば別の会社で経験を積んだ方が長い目でみるとプラスになる。

本書では、大手企業の社員ほど30代で成長しにくいと説明している。マニュアル化や細分化がその原因として挙げられている。
大手企業で働いていて、仕事のスピードの遅さに嘆いている人、全体でなく一部にしか携われないと嘆いている人、上の世代が詰まっていてマネジメント経験を積めそうにない人は、ベンチャーに転職したほうがよいかもしれない。

一般的には中小企業よりも大企業の方が給料が高いが、中小企業で儲かっているところの上級幹部になれば、大企業の平社員でいるよりも給料が高いケースがあるようだ。本書では何件かその例を紹介している。

まぁまずは自分のキャリアプランを描くことが1番。何をしたいのか、どうなりたいのか考えた上で、現状の仕事を続ければよいのか転職したほうがよいのかを考える。

採用する側も人を選ぶわけで、今の会社が嫌だから転職したいという後ろ向きな気持の人は取りたくないだろう。自分が転職すればどのような貢献ができるか十分に考えて説明する必要がある。

今は昔と違い転職がありきたりの時代になったので、長い目で見てプラスになると思えば転職するのはありだろう。

本書は、今の仕事や会社に満足していない人にお薦めの1冊。

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2008/05/31

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

著者は「若者はなぜ3年で辞めるのか?年功序列が奪う日本の未来」の城繁幸氏。

前作と基本的主張は同じで、本作では3年で辞めた若者が現在どういう生活をしているのかインタビューを中心に構成されている。

印象に残ったのは大企業を辞めてNFL(アメフト)に挑戦した男性のコメント。
企業に所属し実業団チームでアメフトをやっていたが、NFLヨーロッパのトライアウトに合格し挑戦。
「まあ言うても二軍やから、意外といけるんちゃうか、と思ってましたね」

とおもっていたものの
「まったく通用せえへん。正直、死ぬんちゃうか、と思うたことは何回もありました」

と言い、その理由として
「要するにハングリーさ。一プレーにかける覚悟が、日本人とはまるっきり違う」
だそうだ。

このあたりの考え方は、終身雇用の日本企業にいる社員と、実力主義の外資系企業で働いている社員の気持ちの違いとも通じるところがあるのではないかと思う。

仮に終身雇用の環境で働いていても、気持ちを緩めずハングリーさを持ち続けて自分を磨き続けなければならないと改めて感じた。

本作にはその他にも興味をひく生き方をしているアウトサイダーのインタビューが掲載されている。
そして、著者の特徴として、単に問題提起するだけでなくきっちり解決方法を提示することがあり、本作でも最後の部分に述べられている。オランダのワッセナー合意などは非常に参考になる。

結局のところ、利益を誰にどのような配分で渡すのかという話になるのだろうが、現状では60歳ぐらいの層が実権を握っており、10年単位のスパンでは考えず目先の既得権確保にはしるため、壮年よりは若者が損をし、正社員よりは非正規社員が損をしているというのが現実なのだろう。
高齢化が進行し、このままでは立ち行かなくなるのは見えている。

どのような変化がおきようと対応していけるよう、自分の能力を磨いておく必要があると考えさせられた1冊であった。

本書は現在の生活に疑問を感じている若者にぜひとも読んでもらいたい本である。できれば先に「若者はなぜ3年で辞めるのか?年功序列が奪う日本の未来」を読んでおいたほうがよいだろう。

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2008/05/23

ライアーズ・ポーカー

マイケルルイスの第一作目である「ライアーズ・ポーカー」。
ニュー・ニュー・シング、マネーボールがおもしろかったのでこの本を読むことにした。

舞台は1980年代のウォール街とロンドン、マイケルルイスはソロモンブラザーズの社員として債権セールマンをしていた。
マネーボール、ニュー・ニュー・シングは取材力がすごかったのだが、この作品に関しては社員としてまさに金融業界の内側で働いていた目線で書かれている。

ウォール街の金融事情にはまったく疎いのだが、当時どれだけ活況であったかは手に取るようにわかった。そして法律改正や景気によりジェットコースターのように上がったり下がったりする様も伝わってきた。

ウォール街のビジネスマンといえば相当なエリートという印象があるのだが、大学を卒業して数年の若者が当然のように数百億を扱うのには驚かされる。10年以上経験を積んでいないとそんなことできないだろうと思っていた。
そして、もっと緻密な計算をして戦略を練っているのかと思ったのだが、根拠がなくても直感で億単位の金を扱っているのにも驚いた。

まぁやっぱりこういう業界は年俸高いんだなぁ。実力が数字として現れるしやってみたい気もするが、きっとものすごいプレッシャーがかかるのだろう。そして、数年もやれば巨額の金を右から左に流すことがむなしくなりそうな気がする。そして客をだましてでも自分の、そして会社の利益を確保することにも嫌気がさしそうだ。まさにライアーズ(うそつき)。

ものをつくって一発あてるほうが充実感があるのではないか。

ソロモンブラザーズの重役を中心にウォール街のビッグネームが数多く登場するが、私はその筋にはまったく詳しくなく全く知っている人がいなかった。

情報通の人であれば、知っている名前がでてきてより一層楽しめるのであろう。

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2008/05/03

セキュリティはなぜやぶられたのか

著者は暗号学者でコンピュータセキュリティのスペシャリストでもあるブルース・シュナイアー。

コンピュータセキュリティの話(いわゆるクラッキング)が中心かと思っていたのだが、9・11テロ後の航空会社のチェック体制や銀行の金庫のセキュリティ対策など幅広いセキュリティについて書かれていた。

利便性とセキュリティはトレードオフであり、何をどこまで対策する必要があるかは次の5つのステップで評価できるという部分が印象的であった。
  1. 守るべき財産はなにか
  2. その資産はどのようなリスクにさらされているのか
  3. セキュリティ対策によって、リスクはどれだけ低下するのか
  4. セキュリティ対策によって、どのようなリスクがもたらされるか
  5. 対策にはどれほどのコストとどのようなトレードオフが付随するか
いろいろな実例を取り上げており興味深い内容もあるのだが、章ごとの違いがいまいちわからず同じような内容が繰り返し書かれているという印象があった。400ページ以上あるのだが途中から疲れてきて結局最後までは読まなかった。とはいえセキュリティに関する実例や考察が豊富なので、今まであまりセキュリティに対して意識をしていなかった人には参考になる内容であろう。

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2008/04/12

週刊ダイヤモンド 2008/2/16

特集記事は「マンションが危ない!」。

同じような時期にプレジデントでも「住宅・土地選び」の特集をしていたが、週刊ダイヤモンドはマンションに特化し、かつ購入よりもその後の管理についての記事が充実していた。
「マンションは管理を買え」と言われるが、住民自らが考えて交渉していかなければ必要以上に管理費を払わせられるということがよく伝わってきた。管理会社の顧客満足度ランキングも掲載されており、分譲マンション居住者は非常に参考になるだろう。
マンション購入編では新築物件のランキングが掲載されている。このランキングが10年後にどうなっているか興味がある。ちなみに東京都下での1位はルフォン吉祥寺、神奈川での1位はプラウド横濱ヒルトップとなっている。

マンションの特集とは別に、もう1つ気になった記事があった。
「PHSのウィルコムが主役の座に躍り出る日」という特集だ。
次世代高速無線データ通信用の2.5GHz帯電波の免許が与えられたことにより、一気に飛躍するというのだ。PHSは電波が弱く、その分基地局の数が携帯網に加え格段に多い。2.5GHz帯の免許取得によりこのインフラ網を利用して、次世代PHSでは試験サービスでデータ伝送速度が20Mバイト/秒まで向上するらしい。この高速通信により移動体通信として一気に躍り出るというのだ。
2.5GHz帯の免許取得により本当に飛躍できるかどうか疑問な点もあるが、ウィルコムの姿勢は前々から評価していた。ウィルコムの技術者はKDDIに戻るかウィルコムにとどまるかの選択肢があった中で、ほとんどウィルコムにとどまったという。技術者がいたいと思えるような環境であるならば何かイノベーションを起こしてくれるかもしれない。

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2008/03/29

なぜ仕事するの?

著者はDoCoMoのiモード生みの親、松永真理さん。30代が終わろうというときに、中間決算をやっておきたいとういう衝動からかいた一冊。
松永さんは元々リクルートで「就職ジャーナル」「とらばーゆ」の編集長をしていたので、企業、就転職希望者双方との接点があり、いろいろなケースを見てきている。それに加え自身の今までの仕事への取り組み・葛藤を交え、仕事とは何かといったことを語っている。内容としては主に女性向けである。

しかしリクルートって本当に人材の宝庫だ。USENの宇野社長や楽天野球団の島田社長など元リクルートで現在活躍している経営者が多い。これはリクルートのプロフィットセンター制度が影響していると思われる。リクルートがなぜこのように人材を輩出しているかは「リクルートのDNA」に詳しく説明されている。

この本は5年ほど前に一度読んでいたが、再度読み直した。

おもしろかったのは、転職がうまくいくかどうかは辞めかたを見ればわかるというくだり。次のパターンでの転職はやめた方がよいとアドバイスしている。

  • 無知からくる転職
    ビジネス社会や企業の成り立ちを知らなさすぎるために、こんなはずじゃなかったと今の会社を辞めたがる。組織への批判は聞けてもなにをやりたいかはでてこない。転職しても同じ行動を繰り返しがち。
  • 人間関係がらみの転職
    あの上司がいないところ、あの先輩がいないところ、あの後輩がいないところとなる。海外へ留学しようか、転職しようか、学校へ戻ろうか、マンションを買おうか、ネコを飼おうかという症状が出る。
  • 女性のライフイベント退職
    結婚・出産でいったん辞めて子育て後に復帰するという。現実はそんな簡単には正社員として復帰はできない。
全体的に軽快なテンポで話が進み、ユーモアがありかつ参考になることが数多く書かれている。仕事について悩んでいる人にお薦めの1冊。

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2008/03/20

PRESIDENT 2008 3.3号

相場激変!一番頭がよい「住宅・土地選び」大全 として、約80ページにわたり不動産に関する特集をしている。20人以上の専門家が様々な視点で記事を書いており、非常に勉強になった。
人口統計やマンションの価格変動に関する統計があり、これからマンション購入を考えている人にとっては住む街を選択する上で参考になる。また、リフォームや住宅ローンの借り換えの話などもあり、すでに自宅を取得している人にとっても参考になるであろう。
さらに建築基準法の改正や税制の変更点など法律がらみの話もときおり書かれており、今後の注意事項がわかる。
住宅や土地の売買を考えている人にぜひとも読んでもらいたい1冊である。

以下は、読んで印象に残った点、もしくは記事から感じた点である。
  • デベロッパー
    デベロッパーは大手の方がやはり安心感がある。また、デベロッパーだけでなくゼネコンがどこかも確認したほうがよい。
    三菱地所+竹中工務店、三井不動産+鹿島、明豊エンタープライズ+清水建設(外断熱と制震)という組み合わせは、よいマンションを作る傾向があるらしい。
    ゼネコンがデベロッパーとして名を連ねている場合は注意が必要。チェック体制が甘くなる可能性がある。
  • 工期
    適正工期は 階数+3~4か月
    例. 10階建てなら14か月
    さらに修正工事や内覧会で2か月程度期間が設けられていればベター
  • 地盤
    湿地や泥炭地は建物に歪が生じ寿命が縮みやすい。
  • 床構造
    アンボンド工法、ボイドスラブ工法は震動が伝わりやすいので注意。
  • 建売住宅
    半分以上?の物件に欠陥が存在する。

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2008/03/09

「資産価値が落ちない」マンションを買う!

著者は住宅ジャーナリストとしてテレビにも出演している桜井氏。数多くの物件を見てきており非常に参考になる内容であった。

この本を読んで、資産価値が落ちないマンションの条件を次のように解釈した。

立地条件

・駅から遠くても歩いて10分以内
・敷地内、もしくは近くに公園や緑がある
・周辺環境が悪化しない
(南側にビルが建つと日当たりが悪くなる、高速道路ができると騒音と排気ガスで悪化する)

マンションの管理が行き届き、補修を確実に実施している

・分譲物件を投資目的で購入し賃貸住宅とする人がいると、マンションに対する愛着が薄く管理が行き届かない可能性がある
・敷地内に住民以外が無断で立ち入りできない。
(公開空地を利用し住民以外も施設内に出入りできる場合、若者が夜中に騒ぐなど治安悪化の恐れがある)

参考になったのは、新築物件を探す人は建設中の段階で購入するため窓から外を眺めたりできないが、中古で購入する人は実際に部屋にはいってそのあたりをチェックするという点。
また、新築物件を探す人はいわゆるマイホームを夢見て共有設備なども購入の決め手になるが、中古で探す人は現実的で古くなった共有設備に魅かれる可能性は低いといういうのもうなずける。

これからマンションを購入したいと考えている人にお薦めの1冊。

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2007/12/29

ウェブ時代をゆく

ウェブ進化論フューチャリスト宣言 に続き梅田望夫氏の作品を読んだ。
今回のサブタイトルは「いかに働き、いかに学ぶか」であり、インターネットによる変革の時代をいかに生き抜くかという内容で主に若者へのメッセージとなっている。IT業界に身を置くものとして業界の流れはわかっているのだが、なんとなく感じてはいてもうまく表現できない部分が的確に表現されており感服した。
大きく印象に残ったのは次の2点。

・ロールモデル思考法
「自分の内から湧き出てくる何かが具体的に見えずとも、「ある対象に惹かれた」という直感にこだわり、その対象をロールモデルとして外部に設定する。そしてなぜ自分がその対象に惹かれたのかを考え続ける。それを繰り返していくと、たくさんのロールモデルを発見することが、すなわち自分を見つけることなのだとだんだんわかってくる。自分の志向性について曖昧だったことが、多様なロールモデルの総体として、外側の世界からはっきりとした形で顕れてくる。」

梅田氏の場合、自分の志向性発見のために読書をしていたという。
私の場合、お手本にしたいと思う人を周りに発見できず、そのため結果的に灯台(ロールモデル)のない状態で航海しているようなもので自分の成長の距離感というものがつかめていないような気がした。
人に限らず、本を読んでロールモデルを発見するという考えは試してみたい。

・30歳から45歳という大切な時期を無意識に過ごすな

この項目に関してはまさに耳が痛かった。新卒採用からずっと大組織で働いているのだが、30歳ぐらいまでは確かに仕事を覚え技術スキルが向上している満足感があった。しかし30歳をすぎてからは過去の蓄積だけで無難に仕事をこなせ、「なんとなく」仕事をやる状態になってきた。新しいことを始めようとしても組織のしがらみで許可を得られず、そもそも組織自体がバブル世代が異様に多く上がつかえている状態だ。いっそのことベンチャー企業のような若い勢いのある組織で働いた方がよいのではと考えても、いざそういう連中と話をしてみると、自分はすでに大組織病に侵されていることに気づく。専門部署にいるためビジネスの全体を見渡せないし、そもそもスピード感がない。
まさに自分は「ここではないどこか」で仕事をしたいと考えている一番危ない種類に属する人間だ。
そういう人向けに梅田氏はありがたいアドバイスをしてくれている。

「そういうタイプの人は、「その会社から吸収できることをすべて吸収し、その15年間のできるだけ早い時期に辞める」というビジョンを持って生きるべきだと思う。最終的にその組織を離れないことになったとしても、自覚的に15年をそう生きれば「組織と個の関係」も対等に近づいていくことになるだろう。そんな決意を秘めて働いている人のほうが、逆説的だが、組織内で「輝く個」になれる。「吸収できることをすべて吸収する」と決めたら、多様性と広がりに満ちた組織全体の中で「自分の志向性」に合致する場所を見つけ、積極的に働きかけて、何とかそこに移っていくことである。」

現状は「なんとなく」働いている状態なのでなかなか吸収する意欲がわかないが、辞めると考えるとそれまでに技術や人脈など手にいれられるものは手にいれたいと思うだろう。別の視点で考えれば、今の仕事が満足できないからどこかに移ろうではなくて、今の仕事で頭角を現して誰かから引き抜いてもらえるぐらい自分を成長させようという意気込みで働いていきたい。

この本は自分の生き方に悩んでいる若者に特にお薦めの本である。

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2007/11/18

プロフェッショナルの条件

P・F・ドラッカーの著作10点及び論文1点から抜粋した生き方・働き方読本。サブタイトルは「いかに成果をあげ、成長するか」。

書いてある内容は非常にすばらしいのだが、どうも頭にはいってこない。すらすらと読めない。。
私がいままで軽い論調の作品しか読んでこなかったのが悪いのか、日本語訳が悪いのかわからないが、どうも難解な言葉で不自然な日本語のように感じ、なかなか作品に集中できなかった。特に前半部分。平易な言葉で要点だけまとめれば、15ページ程度の非常にありがたい作品になるような気がする。

内容は資本主義から知識主義に変革している中でホワイトカラーは組織の中でいかにして仕事に取り組むべきかといった事柄で、非常に参考になることが書かれていた。
特に最終章のIT革命の先に何があるかの部分では、まだまだ変革は起こると書かれており、非常に参考になった。

組織の在り方についても書かれていたが、googleなど新興IT会社を見るにつけ、組織は大きさではなく、いかに能力のある人間に仕事に集中できる環境をあたえることかがポイントであると痛感する。
日本のIT大手では、製造ラインのように組織を分割し有機的につながっていないと思う。

本書は「知識労働者」として働いてる人のうち、現状の仕事の仕方に満足していない人にお薦めの作品である。

最後に、特に感銘を受けた部分を引用させていただく。

「知識労働は、量によって規定されるものではない。コストによって規定されるものでもない。成果によって規制されるものである。部下の数や管理的な仕事の大きさは、知識労働の内容を知る手がかりにはならない。」

(昇進した人がその後成功しないのは)「新しい任務に就いても、前の任務で成功していたこと、昇進をもたらしてくれたことをやり続ける。そのあげく、役に立たない仕事しかできなくなる。正確には、彼ら自身が無能になったからではなく、間違った仕事の仕方をしているために、そうなっている。」

「成果ではなく、権限に焦点を合わせる。組織や上司が自分にしてくれるべきことや、自らがもつべき権限を気にする。その結果、本当の成果をあげられない。」

「よい仕事をすれば、昇給させることにしている。しかし昇進させるのは、
自分の仕事のスケールを大きく変えた者だけだ。」

「何によって憶えられたいか」

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2007/10/14

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来

タイトルを見ると新卒入社する20代前半の若者を分析した内容なのかと思っていたのだが、それだけでなく30代のサラリーマンに対する分析もあった。私は30代であるが、会社に対してなんとなく感じていた閉そく感、失望感のようなもの(具体的にはうまく表現できないのだが)を、本書で実に明確に表現していたことに感心した。霧が晴れるような気持ちになった。と同時にやっぱりこのまま過ごしていても将来は明るくないと感じさせられた。

著者は「年功序列」制度が立ち行かなくなったことが20代の離職、30代の失望感に大きく影響しているという。日本的企業の場合、以前は「入社」してしまえばレールが敷かれており、あとは時間が立てば出世する仕組みであった。しかし、年功序列が機能するのは会社が右肩あがりに成長する時代の話であり、規制緩和、グローバル化の波にのまれた現在ではもう機能しない。したがって企業は「能力主義」を取り入れるが、その仕組みを考えるのは「昭和的価値観」をもった年寄りのお偉方。どうしても保身が入り中途半端な能力主義制度にしかならない。結果、暗黙の年功序列制度の上に人件費カットを目的とした中途半端な能力主義となる。すでに40代、50代にはポスト待ちの人々があふれており、20代、30代の若者にとってはこの先のレールすら保障されない状態となり、我慢して下働きしても将来恩恵を受ける可能性は極めて低い。

確かにこの分析は当たっている。私の感じていた閉塞感は2つ。1つは30を過ぎてもまだ組織の中で年下の年代がほとんど増えていない。したがって下働きさせられることになるのだが、上の年代(一般社員)は口で偉そうなことを言うが手は動かさない。給料が高い割にパフォーマンスが非常に悪く、人の給料のために自分が働かされているような気分を味わっていた。2つ目は、自分の10年後をイメージするのに格好の存在であるはずの職場の10歳程度上の人たち。仕事面、生活面を見ていてその人たちのようになりたいと思わないのだ.... 
結局今のまま働いていてもハッピーにならないのではという失望感がある。かといって転職するにしても、昭和的価値観をもつ企業では同じことであり、行くとすれば外資系もしくはベンチャー。その場合、一時的には成功といえる転職ができるかもしれないが長い目で見た場合の安定感には欠けるように感じる。
結局のところ自分も無意識のうちに昭和的価値観に染められており、いまだ年功序列のレールがつながっているような気がしているのだろう。さながらタイタニック号のような巨大客船であれば沈没することはないだろうといった感覚か...
だからなんとなくこのままではいけないと思いつつもハイリスクハイリターンの道に踏み出せないのだろう。おそらく10年後にははっきりといているのだろうが...

著者は東大法学部を卒業後大企業の人事部門に勤務するといういわゆるエリートコースを歩いてきた人間だ。彼の作品はほかにも読んだことがあるが、すごく文章表現がわかりやすい。しかも問題の本質を論理的に説明し、その解決策まで提案する。まだ30代前半ということもあり若者の視点から社会をみることができ、若者代表といった感じだ。
現在の生活に疑問を感じている若者にぜひとも読んでもらいたい良書である。

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2007/09/20

モバゲータウンがすごい理由

携帯専用サイト「モバゲータウン」成功の秘密と、携帯ビジネスの現状を解説した本。

私は30代で完全なPC世代。携帯の貧弱な入力方式と小さな画面ではストレスがたまるので、PCと携帯が両方あれば迷わずPCを使う。
しかし今の10代、20代はそうとは限らない。PCのキーボードを触る前に携帯を触ったので入力に対するストレスがない、パソコンは高くて個人所有していない、パソコンの起動に時間がかかるので面倒くさいといった考えをもっている10代、20代は決して珍しくない。となるとPCと携帯が両方あれば携帯を選択する。
今の10代、20代が携帯世代というのは知識としては持っていたが、どうも感覚的に理解できない。そんな思いがあったので本書を手に取ったのだが、予想以上にきれいに解説されており非常に参考になった。普段はウィルコムを利用しており、携帯電話(ドコモ、KDDI、ソフトバンク)の流れには疎かったのだが、携帯電話会社の戦略(コンテンツ、おサイフケータイなどの課金)について詳しく解説されていたのも良かった。

インターネットといえばPCではなく携帯でアクセスするものと今後なっていくかもしれないと記述されている。それはないだろう、やっぱりインターネットはPC中心だろうと思っている自分はまだ完全には携帯世代を理解できていないのかもしれない。

30代以上の完全PC世代の方にお勧めしたい一冊。

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2007/08/23

モノの原価 「儲け」の仕組みがわかる本

ブランドバッグや印鑑、カキ氷などいろいろなモノについて原価がどれぐらいなのか、そして利益はどれぐらいなのかについて書かれている本。なかなか入念に取材されており、正確な値が書かれているのではないかと思う。2002年に出版されているので現在では事情が異なっているかもしれないが。。

一番面白かったのは視力矯正手術。最近はレーシックがはやっているが、手術費用は30万円。眼科が大儲けだと思っていたのだが、機械の購入に7000万円、維持費に年間500万円かかるらしく、人件費や広告費を入れると膨大な利益をあげているわけではないらしい。

ものの原価を知りたいという人にはお薦めの1冊。

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2007/06/28

バカの壁

著者は東京大学名誉教授、解剖学者の養老孟司氏。大ヒットしたこの本を遅ればせながら読んだ。

「NHKは神か」や「松井、イチロー、中田」などいろいろな項目について独自の意見が書かれている。科学者ということで、データに基づいた緻密な理論を展開するのかと思っていたのだが、結構主観的な意見が多いように感じた。脳の研究に加え、育った年代(昭和12年生まれ)も著者の考え方に大きな影響を与えているのではないかと思う。

内容に関しては、共感できる部分もあれば共感できない部分もあった。NHKが「公平・客観・中立」をモットーとしていることに対する指摘などは私も確かに共感できた。

「人間の常識」の項で書かれている「人間であればこうだろう」ということが普遍性として成り立つ旨書かれている部分については共感できなかった。「人間であればこうだろう」というのはその人の育った環境や受けてきた教育によって異なるので一概にはいえないと私は考える。

その他、「個性」や「オウム真理教」に関する項では、そういう考え方もあるのかと感心させられた。

すべてを鵜呑みにするのではなく、こういう考え方もあるのかという観点で読んでみるにはお薦めの本である。
実際まえがきにも次のように書かれている。
この本の中身も、世間のいう正解とは違った解をいくつも挙げていると思います。でもこの本の中身のように考えながら、ともかく私は還暦を過ぎるまで生きてきました。だからそういう答えもあるのかと思っていただければ、それで著者としては幸福です。もちろん皆さんの答えがまた私の答えとは違ったものであることを期待しているのです。

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2007/06/19

フューチャリスト宣言

ウェブ進化論の梅田望夫氏と脳科学者の茂木健一郎氏の対談。巻末には中学と大学で講演した授業が収録されている。

これは今年一番のお薦め作品。2人の対談を読んでいると限りなく明るい未来が待っているような気がしてわくわくしながらページをめくっていった。

やりたい企画に対してネガティブなコメントばかりされつぶされるという組織のしがらみを感じていたのだが、この本でまさに自分が感じていたことを的確に表現してもらって霧が晴れたような気分になった。組織に慣らされてしまえばきっと自分もおいていかれる、自分の感覚が正しいと思って突き進まなければいけないと改めて思った。
今はまだ所属している組織の名前で信用を得る時代だが、きっと10年後には検索エンジンで自分の名前を検索して出てきたコンテンツで個人の信用を得る時代になるだろう。
そのことを見据えて生活していく。

ウェブ進化論の時もそうであったが、自分では体感していて理解できるけれどもうまい言葉が浮かばないので説明できないという部分を、上の世代の人にもわかるような表現で説明しているところがすばらしい。
梅田さんは自分の著書の書評をくまなく探すということだったので、もしかしたらこの感想も読んでもらえるかもしれない。

茂木さんの本はいままで読んだことがなく、ソニー研究所の人、テレビにでている人、そしてあの髪形は自分でカットしているらしい(ソニーの知り合い談)といった前提知識しかなかったのだが、この本を読んでとても好きになった。ほかの作品も読んでみたいと思う。

そして、最近なぜか茂木さんと佐野元春のルックスが似ていると感じるようになった.....

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2006/10/09

ウェブ進化論

この本はベストセラーになっているが、実際に読んでみて確かに売れる理由がわかる。

40代以降の世代の人が感じる、なんとなくインターネットはすごいというその「なんとなく」を的確に表現している。また若者世代にとっては、上司が理解してくれないインターネットのすごさ、自分の言葉ではうまく伝わらない部分を的確に表現してくれているので共感ができる。

google のすごさは5年以上前から感じていた。ただしそれは技術的な部分であって、その頃は検索画面に広告が表示されていなかったので、この会社はど うやって設けているのだろう?と疑問に感じたこともあった。しかし、アドワーズ、アドセンスを見たときにはこの会社はすごい戦略をもっていると感心したも のだった。たしかに「あっち側」の世界である。

今後まだまだインターネットの変革は続く。学生にも社会人にも主婦にもぜひとも読んでもらいたい1冊である。

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