読書感想文

新刊、休刊、文学、専門書。
あらゆるジャンルの書籍について読書感想を書いていきます。
得意分野: IT関連技術書、ミステリー小説、ベースボール


2008/11/15

なぜ投資のプロはサルに負けるのか?

著者は金融日記の藤沢数希氏。

金融工学のプロが株式について語っているのだが、非常におもしろかった。
特に競馬や宝くじがどれだけぼったくりであるかの説明は秀逸である。期待リターンが低いことは理解していたが、実際の数字をつかって説明してもらうと非常にわかりやすかった。
後半では経済学者の論文を解説しているのだが、他の本でも書いてありそうな内容なのでちょっとインパクトが弱かった。
株式は平均すると年利5%なので競馬や宝くじと違って勝てる確率が高いような前提になっているが、ここ10年ほどをみると年利5%もあるのか?という気がした。

はっきりいうと、投資と投機に区別なんてありmさえん。
というか、区別してもしなくても、どっちでもいいのです。
このあたりも自分の感覚と似ていて非常に好き。ビジネスで事業を起こすための先行投資も自分の感覚ではギャンブル。株式投資もギャンブル。何をするのも全部ギャンブル。

結局、「販売手数料と信託報酬、その他のコストがなるべく安いインデックス・ファンドを買って、後は投資したことなど忘れて、自分の本業に打ち込んでお金をがんばって稼ぐのが一番」というのが、ここまでファイナンス理論を勉強してたどりついた結論です。
結局、株価を研究する時間とリターンを考えると、まんべんなく分散投資しておくのが一番よいってことか。。

まず、株式市場への投資は便利なインデックス・ファンドが利用可能なので、それらを利用しましょう。日本株へ投資したい場合はTOPIX、外国株に投資したい場合はMSCI-Kokusaiに連動するインデックス・ファンドを利用します。
そして、日本株と外国株の比率ですが、現代ポートフォリオ理論に従い日本株と外国株の時価総額の比率で組み合わせるのがいいでしょう。TOPIX対MSCI-Kokusaiを15対85ぐらいにしておけば大丈夫でしょう。
15対85はちょっと外国株にかたよりすぎの気もするが、それだけ日本が安心できないってことか。。

僕は個人的には、外国株、日本株、外国国際、日本国債を85対15対50対0にアセット・アロケーションしています。
日本国債0ってやっぱり日本を信用していないのか。。。

株式投資をするひとにはぜひとも読んでもらいたい1冊。

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2008/11/11

XBRLの衝撃

金融庁と東京証券取引所が採用しているXBRL。
これを理解すれば機械的に上場企業の財務分析が可能になり、株価分析システムが作れるのではないかと思って読んだ。

本書ではXBRLの概要や導入事例、今後の展望が豊富な図表つきで非常にわかりやすく解説されている。XBRLの概要を知りたい人にとっては非常によい本である。
一方具体的にXBRLを利用した分析プログラムを書こうと思っている技術者にとっては、専門的な解説が足りず満足できないだろう。

ちなみに、XBRL形式の財務情報は次のサイトからダウンロードできる。

EDINET

TDNET

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2008/10/04

大富豪トランプのでっかく考えてでっかく儲けろ

アメリカの不動産王ドナルドトランプとラーニング・アネックスのビル・ザンカーの共著。
大金持ちのドナルドトランプの考え方に触れられる1冊。
結局成功する人はマインドが違う、はじめから大きなスケールで考えて、かつ極度のプラス思考だ。
日本内のことだけ考えてものごとを企画するのではなく、世界規模で考えようと痛感させられた。

私は経験からひとつの教訓を学びとった。問題が発生したときには、問題の対応に注力せず、問題の解決に注力せよという教訓だ。
このあたりはなるべく無駄な労力は使わずに、本質の部分に集中するということだろう。

新しく社員を採用するときは、腐ったリンゴの予備軍を見きわめる必要がある。前の仕事、前の雇用主、前の同僚に文句を言うようなら、次はあなたが文句の対象になる可能性が高い。一般的に言うなら、論争好きで無愛想な人物は雇わない方がいい。
経営者としてどのような社員を採用するか。確かに議論のときにあらさがしばかりしてマイナス発言をし、あらゆる企画をつぶしてしまう人は存在する。そしてそういう人は自分では何も作らない。。
そういう人は当然採用しない方がよいだろう。

ヤンキースのジョー・トーリ監督は、偉大なリーダーであり、わたしの友人でもある。本人から聞いた話では、トーリ監督は松井の謝罪に驚かなかったという。松井は試合中にエラーをすると、そのたびに謝罪をしていた。また、日頃から松井は監督への感謝の気持ちを忘れなかった。連続出場の記録を伸ばせるのは、毎日ゲームに出場させてくれる監督のおかげである、と。
 すべての従業員がヤンキースの松井のような気持で働いてくれたら、どれほどいいだろうか。すべての部下がこのような態度と忠誠心を示してくれたら、どれほどいいだろうか。これは追いもとめるべき理想の環境だ。

松井秀喜選手がドナルドトランプに絶賛されるとは意外だ。日本式の上下関係が好きなのか?ただ、松井選手は日本のプロ野球選手の中でも特に礼儀正しい部類に入る選手だと思うので、すべての日本人がトランプに気に入られるわけではないだろう。

アレンは集中力を保つために、3つのリストを活用している。第一のリストには、人生で達成したい目標を書く。第2のリストには、その目標を達成するために、1年以内にしなければならない事柄を書く。そして、第3のリストには、その目標を達成するために、きょうしなければならないことを書く。この単純明快なシステムを機能させる肝は、規律だ。毎日の必須事項を、欠かさず、規律正しく実行できる者が、最終的な勝者となるのである。
このあたりはイチロー選手的発想か。1本1本の積み重ねが3000本安打という偉大な記録につながっているように、大きなことも目の前にあることの積み重ねであるということだろう。
自分も毎日の必須事項を考え実行していかねば。

あなたも思い込んでいないだろうか?でっかく考えることが許されるのは、大金と高学歴とコネと知識のある人だけだ、と。これは真実ではない。でっかく考えることは誰にでもできる。最も大切なのは、あなたの思考のサイズだ。どれだけでっかく考えられるかが、どれだけでっかく成功できるかを左右する。ほかの事柄は二次的な意味しか持たない。
あることを企画するときに、日本内でのことしか考えずに発想してしまっていた自分がいる。もっとでっかく世界を視野にいれた思考をせねばと思い知らされた。

あなたがマーケティング部長なら、自分を単なるマーケティング部長と定義せず、”マーケティング担当副社長になる途中のマーケティング部長”と定義しよう。
どの視点(立場)から物事を見ているかということは、その人の発想に大きく影響する。また、将来的にどこまで昇進するかということもどの視点からみているかに大きく影響するのではないかと思う。

本書は夢をもっているビジネスマンに特に薦めたい一冊。

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2008/09/14

人生は勉強より「世渡り力」だ!

痛くない注射針を作った岡野氏の著書。

この人最強だ! 技術、マインドともに図抜けている。

極細の注射針をはじめ世界初となる製品をいくつも作る技術を持っているだけで十分すごいのだが、本書のテーマはその技術力ではなく「世渡り力」。職人といえば、無口でまじめに仕事に取り組むというイメージがあるのだが、著者は違う。いかにして持っている技術を生かすために人付き合いをするかといったことが書かれている。

必要な情報を手に入れるために日頃からの付き合いを大切にしようとか、人と同じことをするのではなく世界初のものにこだわるとか、たとえ零細企業であっても大企業と対等にわたりあうという考え方がすばらしい。どこかのマインド本にも似たようなことは書いてありそうだが、本書では著者の実体験をもとに書かれているので説得力が違う。

以下、印象に残った箇所の抜粋。

まずは、貴重な情報を入手するために普段の付き合いについて。

もう一度、言っとくよ。ほんとに貴重な情報ってのは、あらたまった場で出てくることはまずないね。打ち合わせをしましょう、なんてときは、その話に終始するもんだから、情報の「ポロリ」はないんだ。酒でも飲んで、ワイワイガヤガヤやってるときに、「そういえば、この間A社に納品に行ったときに、ちょっと耳に挟んだけどさ・・・」なんて極上な情報が出てくるわけさ。
たしかに自分の経験でも貴重な情報は昼の打ち合わせではなく、夜の飲み会で聞く。しかも人間関係も夜築かれる気がする。

勝負はふだんから人づきあいにどれくらいお金を使っているかだ。情報が欲しいときだけ、「こんちは」と来るヤツに、重要情報をくれる人間がいるか?いっこねぇだろ。その時とくに仕事がなくても、話をしに行ったり、一杯奢ったりする。情報網はそうやってつくるしかないんだよ。
スキは愛嬌なんだよ。「あのヤロウ、バカだねぇ」と思うから、何か言ってやりたくなるんだし、「あいつ、しょうがねぇな」と感じるから、何かしてやりたくもなるんじゃないか、そうだろう?
たしかにその通りだが、なかなかこのあたりは実践するのが難しい。

「ありがとうございました」、「ごちそうさまでした」を四回も言ってみなよ。こんなご時世だから、相手は感動だよ。「あいつ、次もまた誘ってやろう」ってことに必ずなる。そうやって、情が通ったつきあいが深まっていくんだよ。
一度受けた恩は一生のものだと思うね。世話になったのが一回こっきりだとしても、その人が自分のために何かしてくれたって事実は、消えてなくなるわけじゃねぇんだよ。だから、感謝の気持ちにだって終わりはないんだ。
このあたりの考え方はなかなか現代っ子には難しいところではあるが、逆にこのあたりが差別化になるのだろう。
子供の頃から、「お金は使え!」って教えなきゃダメなんだよ。つきあいを大切にして使うお金、人を楽しませるために使うお金に、無駄なんてことはありゃしねぇんだ。全部、生きた使い方だよ。
ここは学校や一般社会で教えるのとは逆。しかしこういう考え方をしないと緻密な人付き合いはできないよなぁ。
自分の仕事は安売りしちゃダメなんだ。そのためには、人にできないことをやらなきゃな。誰でもできることなんてのは、相手の言い値でやるしかなくなるんだよ。できないことだから、値段を自分でつけられるんだ。

自分を高める、レベルアップするには、どうすればいいかなんて考えることがあるだろ。これはもう決まっているんだ。一流のものを見ること、一流に接することだね。一流を知らなきゃ、進歩なんかねぇよ。
人より先につくって、早く儲けて、見切りどきを間違えないでやめる。まさに「見切り千両」、世渡り力をたっぷり学んだ、俺の商売の鉄則だね。
ここは仕事に対する考え方。誰もやっていないことに取り組むことにより差別化を図り市場価値を高める。そしてその技術が時間とともに陳腐化しそうになってきたら早めに売ってしまう。
すばらしい考え方だ。

仕事で一流を目指す人にはぜひとも読んでもらいたい1冊。

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2008/08/30

株価予測黄金の方程式

現役の大学教授が書いた株式投資の方法。

私は株に関しては素人でほとんど知識がない。この手の本もほとんど読んだことがない。したがって他書との比較はできないが、この本は素晴らしかった。
何がすばらしいかというと、単に株価が上がるのか下がるのかを予想するのではなく、どこをどう分析してこういう結論になるかということを詳細に説明しているところがすばらしい。
この本を読めば、株に対する「分析の仕方」を学べる。
ちなみに、5銘柄の詳細分析をしているが予想はことごとくはずれている。執筆したのが2007年3月であったためサブプライムで大きく状況がかわったことが原因であろう。

この教授の方針は次になると思う。

自己資本比率とBPSが高い健全な会社で、かつPBRが低い(最低1.0以下)銘柄の13週移動平均線がマイナスからプラスに転じたタイミングで購入する。

今回知った用語
BPS: 一株純資産
PBR: 株価/BPS
EPS: 一株あたり純利益

以下は非常に参考になった株に対する考え方。
[AAA企業]
BPSが1500円以上、かつ自己資本比率が75%以上

「13週移動平均線の微分係数が-から+に転じるところが買い」
1. High PBR銘柄は、アンタッチャブル。
2. High PBR銘柄のPBRが1.0かそれ以上の時は、いくら安値だと思っても買わないこと。
3. その理由は、不意な業績悪化が発表されたら、株価は、それまでにないほど大幅な下げを演じ、PBRが0.5台~0.7台前半までうりたたかれることが多いから。
このように、EPSの値は、銘柄選別のための指標ではなく、買いと売りの株価を決定するための指標であると考えるのです。すなわち、「EPSの値が高いから、この銘柄を買う!」と考えるのではなく、銘柄選別は、あくまでも財務内容が健全である銘柄に絞り、それがPBRを基準にして割安になった時(PBRが0.5~0.9になった時)に買うと考えるのです。

個別ケース分析表に記載されている財務データと株価データの中でも、特にしっかりとにらむべき数字は
1. 「前期EPSの値->当期EPSの値->来期EPS予想値」の推移
2. 過去の安値と高値のPBRの値
3. 過去に安値と高値が付いた月とその周期

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2008/06/24

ETF投資入門

投資の話は疎いのだが、なにやらETFがよいらしいという話を聞いて読んでみた。

ETFが何かすら知らなかったのだが、証券取引所に上場されている投資信託であると理解した。
上場されているのでネット証券でも簡単に売買でき、かつ手数料も通常の投資信託よりも安い。
すなわち低コスト、高流動性。

例えば、日経平均に連動するよう構成されたETFの場合、個別企業の分析は不要で日経平均が上がるか下がるかだけ考えて売買すればよい。
そうはいっても日経平均の変動程度では大してもうからないから、3倍ぐらいに急騰するような企業の株を購入したいと(企業分析を全くしていないにもかかわらず)思ったのだが、統計によると、個別の企業に投資するよりも日経平均に追従するようなリスク分散型の投資の方が利益を出す確率が高いらしい。

このように、アクティブ型の投資信託が日経平均株価やTOPIXのようなベンチマークを上回る確率はあまり高くありません。言い換えれば、市場の平均値(インデックス)以上のパフォーマンスを達成するのは相当困難なのです。
配当もでるようだし、少しリスクを背負って勝負したい場合は上海株式連動型のETFもあるようなので、そういう選択をするのも良いかもしれない。

なにより、1企業の場合は倒産の危険があるが、ETFの場合はそれがないのも安心である。

具体的な投資法として、ドルコスト平均法などの説明があり、心理面の解説も掲載されているので投資初心者にお薦めの1冊。

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