タイトルに魅かれて読んだが、1億円の算出方法がお粗末すぎる....
退職金、厚生年金、住宅補助、交通費補助の制度のある会社からそれらがまったくない会社への転職という極端な例も問題だが、それらの計算方法もところどころ間違っている。
例えば、健康保険組合に加入していても現在は3割自己負担であるが、本書の計算では2割負担になっている。また、年金や組合健保の保険料については給料から天引きされるのだが、本書では転職前の計算でそれが考慮されず、転職後の国民年金・国民健康保険だけ支払い分を計算している。
どうも著者はこのあたりの制度を理解していないのではと疑わざるを得ない。
タイトルにしているのだから、少なくとも計算式に間違いがないか社労士あたりに裏をとってから出版してもらいたかった。今からでもよいので間違いを訂正し、計算しなおした結果をWebに掲載してもらいたい。
まぁ、転職先の条件をもうちょっとリアリティのあるものにしてもらえればもっとうれしいが。。
たとえば転職して年収が100万円上がったとしても、退職金や年金まで考えた場合には得か損かというのをもうちょっとリアリティのある例をだして知りたかった。もちろん会社によって制度が異なるし未来のことはわからないというのは当然の話であるが、少なくとも実在の人物の転職例で現時点でのシミュレーションをしてもらえると非常に参考になったと思う。
例. 新卒で電機メーカーA社に入社したZ君が、10年後に競合のB社に年収100万円増の条件で転職。仮にA社で働き続けてたとしてもB社でのポストと同じまで昇進する(例えば部長)として、転職ありの場合と無しの場合で生涯賃金を比較。A社、B社ともに実在の会社なので各年齢・ポストでの年収は推測できる。各社の現時点での制度に基づき生涯賃金をシミュレーション。
こうすれば転職した場合退職金や年金がどれぐらい不利か一目瞭然になると思うのだが。。
4章以降の分析に関しては納得する部分のあったので、1億円の算定方法が残念だ。
ちなみに私は、転職賛成派なので、城繁幸氏の著作「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」、「若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来」の方が納得して読めた。
もちろん、目的のない転職には賛成できないが。
ヘッドハンターが書いた著書も参考になるだろう。
「35歳までに年収2000万円になる」
