読書感想文

新刊、休刊、文学、専門書。
あらゆるジャンルの書籍について読書感想を書いていきます。
得意分野: IT関連技術書、ミステリー小説、ベースボール


2008/05/06

野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス

サブタイトルは「世界最強軍団ボストン・レッドソックスも使っている新選手評価指標」。

表紙にレッドソックスの写真が写っていたので、てっきりメジャーリーガのデータ解説かと思っていた。しかし、実際は日本のプロ野球選手のデータ分析だった。

セイバーメトリクスには興味があり、マネーボール、メジャーリーグの数理科学といった本は読んでいる。そしてMLBの公式ホームページでOPSやフライゴロ比率といったデータは意識して見ている。
だが、いままで聞いたことのないデータ分析が本書にはたくさん書かれていた(単に忘れているだけかもしれないが)。

たとえば、RC27。一人の選手だけで打線を構成した場合に1試合あたり何点取れるかという数値。07年の最高値はセリーグが青木選手の8.71点、パリーグがローズの8.64点だそうだ。
攻撃の目的は点を取ることなので、RC27は打率や出塁率よりも勝利に直結するデータであろう。また、得点や打点は自分の前後を打つ選手の能力に依存するため、選手本人の実力をそのまま反映できるとは限らない。その点RC27は1人で打線を形成するので個人の実力がより反映される。

セイバーメトリクスでは、打率・ホームラン、勝利数・防御率といった現在一般的に重要とされているデータでは表現できない選手の能力が現れる場合がある。そのため、まだ目立っていないが一気にブレークしそうな選手を発掘できたり、実績のある選手の衰えの兆候がいち早く現れたりすることがある。
そのあたりの分析をすることがセイバーメトリクスの醍醐味であろう。

本書では、ロッテのYFK(薮田投手、藤田投手、小林投手)の移籍に関する分析や、今年ブレークしそうな選手の紹介があり非常におもしろい。
日本のプロ野球選手に対してこれだけセイバーメトリクスのデータ分析がされているデータを見たことがない。メジャーの現場でデータを重宝していた長谷川氏のインタビューもあり、野球を違う角度から分析したいデータマニアには超お薦めの1冊である。

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2007/11/24

長谷川滋利のメジャーリーグがますます楽しくなる観戦術

元メジャーリーガー長谷川滋利氏が紹介するメジャーリーグという「職場」の裏側。
彼の作品は以前にも読んだことがあるし、NHKのメジャーリーグ中継での彼の解説を何度も聞いている。したがって大半は知っている内容ではあったが、彼らしく理論的に分析されておりよくできた作品である。
エンジェルス、マリナーズとアメリカンリーグのチームに所属していたので、アメリカンリーグ全14球団についての分析が書かれている。元メジャーリーガーということで戦力分析は当然のこと、球場にまつわる話や球団経営の話まで触れる部分もあり、大変参考になった。個人的にはナショナルリーグも全球団解説してもらいたかったのだが、まぁインターリーグでしか対戦していないから敢えて書かないという判断をしたのだろう。
2005年シーズン終了後マリナーズがオプション契約を破棄した際には、彼がどこに移籍するか注目していた。正月番組では巨人上原投手から巨人に来てくださいといわれていたが、結局2006年初春に引退を表明した。本書では実はドジャースとの契約を考えていたと告白し、シーズンの半分は家族と離れて遠征にでるなどのためモチベーションが低下して引退を決意したそうだ。仮にドジャースと契約していたとすると斉藤隆投手とチームメートになっていた。ちょっと見てみたかった気もする。

本書はメジャーリーグ好きの人にお薦めの本。特にNHKのメジャーリーグ中継で長谷川氏の解説がうまいと感じる人にお薦めの作品である。

本書で特に印象に残ったのは次の部分。
・チームのタイプは2番打者でわかる。
(バントなど小技が得意な選手でつないでいくか、打つ選手でチャンスを広げていくか)
・セントルイスカージナルスがエンジェルスの選手を何人も獲得するのは、エンジェルスはマイナーから野球をしっかり叩き込む球団で、カージナルスとチームカラーが似ているため。

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2007/05/13

不可能を可能にすること 僕のメジャーリーグ日記

元メジャーリーガー長谷川滋利氏が2003年シーズン中に(シアトルマリナーズ所属)書いていた日記を書籍化したもの。発売されてすぐ購入していたのだが、田口選手の日記の影響もあり読み直してみた。

基本的なスタンスとして、田口選手の日記はwebで公開することを前提としあまり野球がわからない人も読めるように日常生活の話を書くことが多く、しかもきっちりオチをつけてくれる。一方長谷川選手のこの本は、自分のためにつけていた日記をあとでまとめて書籍化したというイメージが強い。どういうことかというと、対戦した打者にどのような配球をして今日の反省点はここといった文章が多く、自分のために書いているという印象がする。
あまり野球に詳しくない人にとっては理解しづらい部分もあると思うが、メジャーのピッチャーがどういうことを考えて配球しているかを知れるという意味では野球ファンにとって非常に貴重な本である。
私はスカウティングレポートで打者の得意コース・苦手コースの分析を見るのが好きなので、この本をよんで非常に参考になった。
野球ファンにとっては非常にお薦めの本である。

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